高野川(読み)たかのがわ

精選版 日本国語大辞典 「高野川」の意味・読み・例文・類語

たかの‐がわ ‥がは【高野川】

京都市左京区を流れて鴨川合流する川。滋賀県との境、途中越付近に発し、加茂大橋付近で合流。上流域大原川中流域を八瀬川ともいう。

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デジタル大辞泉 「高野川」の意味・読み・例文・類語

たかの‐がわ〔‐がは〕【高野川】

京都市内を流れる淀川水系の一。京都市左京区と滋賀県大津市との境にある途中越とちゅうごえ(標高370メートル)付近に源を発して敦賀つるが街道(国道367号)に沿って流れ、多くの支流を合わせて左京区田中下柳町で鴨川に注ぐ。長さ21キロ。水質が染色に適しているため下流では友禅染が行われる。流域のほとんどが風致地区

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日本歴史地名大系 「高野川」の解説

高野川
たかのがわ

大原おおはら北部の山中を源とし、左京区の東部を南北に貫流、現出町柳でまちやなぎかも川に合流する川。途中大原川・八瀬やせ川の名でもよぶ。全長約一七キロ。平安時代には埴川とよばれ、「日本後紀」延暦一八年(七九九)八月八日条には「禊埴川」とある。現高野川の流路は出町柳で鴨川と合流するが、極めて古い時代には、そのまま南西に流れていたといわれる。

この高野川流域は京都盆地の中でも開発が早く、特に出雲郷については神亀三年(七二六)の愛宕郡出雲郷計帳が残され、古くから村落が形成されていたことが知れる。

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改訂新版 世界大百科事典 「高野川」の意味・わかりやすい解説

高野川 (たかのがわ)

淀川水系の一つで,京都市左京区を流れる川。左京区大原小出石(こでいし)町の山中に源を発し,大原・八瀬地区を貫流して岩倉川を合し,山端(やまばな)で京都盆地に入り,南西に流れて出町柳で賀茂川に合流し,鴨川となる。延長約20km,流域面積67km2。上流を大原川,中流を八瀬川とも呼ぶ。高野川の河谷には,京都から大原を経て途中峠を越え,近江朽木に抜けて若狭に至る若狭街道が通じ,古代から重要な交通路であった。山端には旅人相手の茶屋が並び,若狭から塩サバなど塩干物が多数運搬されたため,若狭街道は〈魚街道〉とも呼ばれたという。江戸時代の高野川には井堰が約40ヵ所設けられて流域の重要な農業用水源とされ,水争いもたびたび生じた。田地が川より高い南岸の上高野には,江戸前期京都代官五味氏によって高野隧道が建設され,用水として利用された。また河水は友禅染の水洗いにも用いられていた。出町柳から川沿いに京福電鉄叡山線(現,叡山電鉄叡山本線)が通じ,若狭街道は国道367号線に継承されている。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「高野川」の意味・わかりやすい解説

高野川
たかのがわ

京都市左京区を南西流して鴨(かも)川に合流する川。滋賀県境付近の山地に発し、大原、八瀬(やせ)などを経て出町柳(でまちやなぎ)で鴨川に注ぐ。全長約17キロメートル。高野川と比良(ひら)山西麓(ろく)の安曇(あど)川の渓谷を結んで若狭(わかさ)街道(国道367号)が通じ、古くは「京の七口(ななくち)」の一つの大原口が設けられていた。水質が染色に適し、かつては下流で友禅(ゆうぜん)流しが行われていた。

[織田武雄]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「高野川」の意味・わかりやすい解説

高野川
たかのがわ

京都市北東部を流れる川。鴨川の支流。天ヶ岳 (787m) の東麓付近に発し,南流して大原,八瀬 (やせ) を経て出町柳 (でまちやなぎ) で鴨川に注ぐ。全長約 21km。水質が染色に適し,古くから友禅染の水洗いに利用された。

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