髣髴・彷彿(読み)ほうふつ

精選版 日本国語大辞典 「髣髴・彷彿」の意味・読み・例文・類語

ほう‐ふつ ハウ‥【髣髴・彷彿】

〘名〙 (形動タリ)
① (━する) よく似ていること。また、そのさま。そっくりなさま。
※本朝文粋(1060頃)一〇・花光浮水上詩序〈源順〉「水上有花。非軽葩之全浮。是余光之漫映。焔焔焼波。髣髴火井之夜燃
読本・椿説弓張月(1807‐11)拾遺「今その声ざまをきくに、毛国鼎に似たるのみならず、面影も又彷彿(ホウフツ)たり」 〔慧琳経音義‐二五〕
② (━する) ありありと眼前に見えること。はっきりと脳裏に浮かぶこと。また、そのさま。
※童子問(1707)下「後世儒者、奚為獲其髣髴
即興詩人(1901)〈森鴎外訳〉歌女「この笛の音は、我に髣髴としてその面影を認めしめたり」
③ 影のおぼろなこと。ほのかであること。姿、形がかすかであること。また、そのさま。
※菅家文草(900頃)一・賦得詠青「髣髴佳人家、潺湲道士渓」
④ はっきりしないこと。あいまいなこと。たしかでないこと。また、そのさま。
江談抄(1111頃)四「此詩上句為髣髴、作者之心如何」 〔揚雄‐甘泉賦〕

ほう‐ほつ ハウ‥【髣髴・彷彿】

〘名〙 (形動タリ) =ほうふつ(髣髴)色葉字類抄(1177‐81)〕
源平盛衰記(14C前)二八「児童の貌顕たり、髣髴(ハウホツ)たる事、明月の薄雲を隔たるが如く」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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