髪上(読み)かみあげ

精選版 日本国語大辞典 「髪上」の意味・読み・例文・類語

かみ‐あげ【髪上】

〘名〙
① 髪を頭上でまとめて結い上げること。
② 昔、女子成人に達した儀式として垂れ髪を初めて結い上げること。
※竹取(9C末‐10C初)「よき程なる人になりぬれば、髪あげなどさうして、髪あげさせ、裳(も)着す」
中古女房などが、髪を頭上に結い上げて束ね、櫛やかんざしで止めること。また、その女房。陪膳宮廷の儀式に出る時の礼装で、唐風の装いとされた。
※宇津保(970‐999頃)内侍督「くら人も、さらにおとろへぬかたち、さらにおとらぬしなのものどもにて、かみあげ、さうぞくしたるさまもいとめでたし」

かん‐あげ【髪上】

〘名〙 「かみあげ(髪上)」の変化した語。
浮世草子男色大鑑(1687)四「あまたの侍婢御梳(カンアゲ)又は表使の女腰もと色作りたる風俗当流の御所かかり」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の髪上の言及

【裳着】より

…儀式は夜間に行われた。古くは男子の元服の〈冠〉に相当するものとして,許嫁するとき垂髪を束ねて結髪にする〈髪上(かみあげ)〉〈初笄(はつこうがい)〉の儀が行われたが,平安中期以降,髪型が垂髪に移行し服装も変化するにつれ,成年式としての裳着の儀の中に吸収され,髪上という呼び名も廃れた。垂髪では〈鬢(びん)そぎ〉が既婚の表示となったとみられる。…

※「髪上」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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