鳥ノ海(読み)とりのうみ

日本歴史地名大系 「鳥ノ海」の解説

鳥ノ海
とりのうみ

荒浜あらはま港の南方にある入江。東西約一・八キロ、南北約〇・九キロ、東岸がわずかに切れて外洋に通じる。「観蹟聞老志」には蛤・牡蠣名産とするとあり、中央に昼須賀ひるすがという洲があると記す。現在も蛭塚ひるづかとよぶ島洲がある。仙台藩主専用の狩猟場で御殿跡ごてんあと御狩屋跡おかりやあと獅子土手ししどてなどの地名が残る。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「鳥ノ海」の意味・わかりやすい解説

鳥ノ海
とりのうみ

宮城県南東部、亘理(わたり)郡亘理町にある潟湖(せきこ)。鳥の海とも表記される。阿武隈川(あぶくまがわ)河口荒浜(あらはま)南方にあり、面積1.5平方キロメートル。近世には沿岸の鳥屋崎浜(とりやざきはま)に塩田が開かれ、製造戸数160を数えたこともあるが、明治以降衰えた。河口の荒浜漁港にかわり鳥ノ海に新漁港が建設されたが、規模は小さい。ノリカキ養殖、貝類の潮干狩が行われ、付近にはレクリエーション施設も建設されている。

[長谷川典夫]

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世界大百科事典(旧版)内の鳥ノ海の言及

【鳥海山】より

…日本海岸にまですそ野が広がる秀麗な成層火山で,出羽富士,秋田富士とも呼ばれる。最高峰の新(しん)山(2237m)を中央火口丘として七高(しちこう)山,伏拝(ふしおがみ)岳などの外輪山がこれをかこむ東鳥海火山と,火口湖の鳥ノ海を中心とする西鳥海火山の二つの火山体からなる。新山は1801年(享和1)に噴火して形成されたので,享和岳とも呼ばれている。…

※「鳥ノ海」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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