鳩・鴿(読み)はと

精選版 日本国語大辞典 「鳩・鴿」の意味・読み・例文・類語

はと【鳩・鴿】

〘名〙
ハト科に属する鳥の総称。中形の鳥で、頭が小さくて丸く、くちばしは短い。多くは留鳥で、渡りをしないが著しい帰巣性をもつものがある。約三〇〇種が、極地を除く世界中に分布し、熱帯地方に種類が多い。ヒバリほどの小形のものから大形のニワトリほどのものまであり、羽色は一般に地味だが熱帯には美しいものもある。大半は樹上性であって、樹上で採食・営巣をするが、温、熱帯には地上採食性のものもあり、乾燥地帯では地上営巣性になったものもある。すべて植物食性だが果実を主食とするものと草の種子を主食とするものがある。多くは一腹二卵をうむが熱帯では一卵のものも多い。日本にすむ野生種として、天然記念物のシラコバト、狩猟鳥のキジバト、日本特産で羽毛が緑色のアオバトなどがある。野生のカワラバトの飼育品種がドバトイエバト)で、世界各地で家禽(かきん)として飼育。一般に、ハトというときはドバトをさすことが多い。古くから人によく知られ、寓話に登場し、平和の象徴ともされる。
※古事記(712)下・歌謡「いた泣かば 人知りぬべし 波佐の山の 波斗(ハト)の 下泣きに泣く」
② 紋所の名。鳩を図案化したもの。鳩、向い鳩などの種類がある。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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