精選版 日本国語大辞典 「鶏冠石」の意味・読み・例文・類語
けいかん‐せき ケイクヮン‥【鶏冠石】
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翻訳|realgar
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ヒ素(As)の鉱石鉱物の一つ。人工的につくられたα(アルファ)-As4S4に対応する。同質異像関係にあるパラ鶏冠石はγ(ガンマ)-As4S4に対応する。β(ベータ)-As4S4に相当する鉱物相は、化学組成がAs4S4に近い部分ではベータ鶏冠石(αの高温相。転移点250℃)、As8S9に近い部分ではアラクラン石とよばれているが、β相関係相の命名に関しては現在多少の不一致点がある。噴気性鉱床、ある種の浅~深熱水性鉱床、火山噴気孔、石炭層、再結晶苦灰岩、ホウ酸塩を含む堆積(たいせき)岩中などに産し、単斜柱状の自形結晶をなす。日本の産地としては、群馬県下仁田(しもにた)町西ノ牧鉱山(閉山)が有名。かつて三重県多気郡勢和(せいわ)村(現、多気町)丹生(にう)鉱山(閉山)では水銀鉱石中に石黄(せきおう)(雄黄)とともに産した。空気中で熱すると、有毒な三酸化二ヒ素の白煙を発生する。和名は、その色が鶏(とり)の鶏冠(とさか)を連想させることにちなむ。英名は、アラビア語のRahj al ghar(鉱石の粉末)に由来するとされている。
[加藤 昭 2016年8月19日]
化学組成はAsS。単斜晶系に属し,短柱状結晶をなす鉱物。透明紅色ないし橙色を呈し,脂肪光沢をもつ。鶏冠のようにあざやかな紅色にちなみ名付けられた。比重3.48,モース硬度1.5~2。へき開は{010}に良好。長時間光にさらされるとAs2S3とAs2O3の混合物に分解し黄橙色粉末になる。低温熱水鉱脈,火山昇華物,温泉沈殿物中に含まれて産出し,しばしば輝安鉱Sb2S3,石黄As2S3を伴う。日本では群馬県西牧鉱山,北海道手稲鉱山,青森県恐山が産地として有名である。量的にまとまって産出することはまれで,ヒ素資源としては重要でない。硝石と混合して火花を飛ばしたとき高輝度白色光を発生するため,花火に混入して使用される。古くは黄橙色顔料として利用された。
執筆者:青木 正博
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出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…化学成分As2S3の鉱物。雄黄という和名は,本来鶏冠石の別称であり,orpimentに対しては,雌黄(しおう)または石黄(せきおう)の名称を使用するのが望ましいとされている。レモン黄色透明で,脂肪光沢,へき開面は真珠光沢をもつ。…
※「鶏冠石」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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