麻裳し(読み)あさもよし

精選版 日本国語大辞典 「麻裳し」の意味・読み・例文・類語

あさも‐よ‐し【麻裳し】

(「よ」「し」は間投助詞から) 地名「紀」「城上(きのへ)」にかかる。
万葉(8C後)二・一九九「朝毛吉(あさモよし) 城上(きのへ)の宮を 常宮(とこみや)と 高くしたてて」
※万葉(8C後)四・五四三「たまだすき 畝火(うねび)を見つつ 麻裳(あさもよし) 紀路に入りたち」
[語誌]アサモは「麻裳」「朝裳」の表記があるが、紀の国で麻を産したことは、「延喜式‐二三」や、「麻衣着ればなつかし紀伊の国の妹背の山に麻蒔く我妹」〔万葉‐一一九五〕からもわかるので、「麻裳」が原義で、良い麻裳を産する紀の国の「紀」にかかると考えられる。転じて、同音の「城上(きのへ)」にもかかった。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android