黄烏瓜(読み)きからすうり

精選版 日本国語大辞典 「黄烏瓜」の意味・読み・例文・類語

き‐からすうり【黄烏瓜】

〘名〙 ウリ科のつる性多年草。北海道奥尻島から沖縄まで、日本列島各地の山野に生える日本特産種(中国産のものの変種)。根は肥厚し紡錘形の塊となる。茎は三~四岐した巻きひげで他物にからむ。葉は柄があって互生し、葉身は広心臓形で三~七浅裂する。雌雄異株。八~九月、白色の花を開く。萼(がく)筒は長さ約三センチメートル。花冠の縁は細裂し糸状となるがカラスウリより短い。果実は長さ約一〇センチメートルの楕円体で黄熟する。中国大陸にはこれと変種の関係にある栝楼があり、この根の皮層をはいで乾燥したものを漢方栝楼根(かろこん)といい、解熱・袪痰(きょたん)鎮咳剤にする。日本産のものも瓜呂根(かろこん)として同様に利用される。また塊根澱粉から天瓜粉(てんかふん)をつくる。うかいうししい。栝楼。《季・秋》 〔重訂本草綱目啓蒙(1847)〕

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デジタル大辞泉 「黄烏瓜」の意味・読み・例文・類語

き‐からすうり【黄××瓜】

ウリ科の蔓性つるせいの多年草。山野に自生し、巻きひげで他に絡む。葉は心臓形で浅い切れ込みがある。雌雄異株。夏、白い花が咲く。果実は黄色く熟す。漢方で塊根を栝楼根かろうこんといい薬用。また根のでんぷんから天瓜粉てんかふんを製する。うかい。うしのしい。

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動植物名よみかた辞典 普及版 「黄烏瓜」の解説

黄烏瓜 (キカラスウリ)

学名Trichosanthes kirilowii var.japonica
植物。ウリ科の多年生つる植物,園芸植物,薬用植物

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