黄連・黄蓮(読み)おうれん

精選版 日本国語大辞典 「黄連・黄蓮」の意味・読み・例文・類語

おう‐れん ワウ‥【黄連・黄蓮】

〘名〙
キンポウゲ科の小形の常緑多年草。北海道、本州、四国の山地の樹下に野生するほか、各地で薬用として栽培され、京都、兵庫の丹波黄連は有名。斜めに這い黄色のひげ根がある。黄色で太い多肉質の地下茎から、長い柄をもち三つの広卵形で縁に鋸歯(きょし)のある小葉に分かれた葉を数葉だす。早春、高さ一〇~二五センチメートルの花茎の先に径一センチメートルくらいの白色の小花を数個つける。小葉の切れ込み方に変化があり、さらに深く切れ込むものをキクバオウレン、小葉がもう一度三つに分かれるものをセリバオウレン、さらに分裂したものをコセリバオウレンという。黄連は中国産の植物名による。〔異制庭訓往来(14C中)〕
② ①の地下茎を乾燥させた生薬(しょうやく)ベルベリン、パルマチンなどのアルカロイドが成分で、苦味性健胃薬として用いる、黄連エキスを作る。民間では煎汁を眼病の洗眼液にする。また、黄色の染料ともなる。〔令義解(718)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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