黒穂菌(読み)くろぼきん(英語表記)smut fungi

精選版 日本国語大辞典 「黒穂菌」の意味・読み・例文・類語

くろぼ‐きん【黒穂菌】

〘名〙 担子菌類の一つ。菌糸寄主の体内で発育し、寄主の開花・結実期に花部に達して種子を破壊し、黒色厚膜胞子(黒穂胞子)を無数につけ、花部を黒色にかえる。ムギ、イネトウモロコシなどに寄生して黒穂病を起こさせる。マコモの幼稈に寄生したものは食用とし、胞子のできたものは、まこも墨といい、塗料や眉を引くのに用いる。黒穂病菌。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「黒穂菌」の意味・読み・例文・類語

くろぼ‐きん【黒穂菌】

担子菌類一種黒穂病を起こさせ、黒い胞子を飛散する。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「黒穂菌」の意味・わかりやすい解説

黒穂菌
くろぼきん
smut fungi

黒穂病の病原性糸状菌のこと。農作物に大害を与える。担子菌類半担子菌綱クロボキン目 Ustilaginalesに属する菌類で,黒穂胞子の発芽様式によって,クロボキン科 Ustitaginaceaeとナマグサクロボキン科 Tilletiaceaeに分けられている。オオムギハダカムギにつく Ustilago tritici,トウモロコシのお化けをつくる U. zeae,コムギのナマグサ黒穂病菌 Tilletia triticiなどがある。このほか,多数の植物にそれぞれ異なる菌がある。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android