齷齪(読み)あくさく

精選版 日本国語大辞典 「齷齪」の意味・読み・例文・類語

あく‐さく【齷齪】

[1] 〘副〙 =あくせく(齷齪)壒嚢鈔(1445‐46)〕
[2] 〘形動ナリ〙 (中国近世語から) きたないさま。みにくいさま。
※通俗赤縄奇縁(1761)二「朱重原来老実の者にて、又蘭花が貌齷齪(アクサク)(〈注〉キタナイ)なれば」

あく‐せく【齷齪】

〘副〙 (「あくさく」の変化した語) 心にゆとりがなく、目先にだけ心をうばわれたようにせわしく事を行なうさまを表わす語。
※雑俳・筑丈評万句合(1746‐48)「あくせくでかせいだ暮の餠の重」
和英語林集成再版)(1872)「Akuseku(アクセク) シテ ハタラク」

あく‐そく【齷齪】

〘副〙 =あくせく(齷齪)〔音訓新聞字引(1876)〕
社会百面相(1902)〈内田魯庵〉温泉場日記「文学士売文に齷齪(アクソク)する」

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デジタル大辞泉 「齷齪」の意味・読み・例文・類語

あく‐せく【××齪/×促】

[副](スル)《「あくさく」の音変化》細かいことを気にして、落ち着かないさま。目先のことにとらわれて、気持ちがせかせかするさま。「―(と)働く」「つまらないことに―する」
[類語]営営せっせとこつこつ汲汲きゅうきゅう孜孜しし目まぐるしい忙しいせわしいせわしない気ぜわしい慌ただしいきりきり舞い東奔西走てんてこ舞い多忙繁忙繁多繁劇多事多端多用繁用席の暖まるいとまもない猫の手も借りたいそそくさせかせか性急拙速多端忙殺怱忙そうぼう倥偬こうそう怱怱そうそう大忙し取り紛れる手が塞がる目が回る応接にいとまがないこせこせばたばたせっかちあたふた気早気早い大わらわ貧乏暇無し甲斐甲斐かいがいしいそわそわ右往左往慌てふためく動き回るちょこまかうそうそ倉卒押せ押せてんやわんややいのやいの

あく‐さく【××齪/×促】

[副](スル)あくせく(齷齪)」に同じ。
けだし彼れ本より―斗筲とそうの才にして」〈東海散士佳人之奇遇

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普及版 字通 「齷齪」の読み・字形・画数・意味

【齷齪】あくさく

あくせくする。促。唐・孟郊登科の後〕詩 昔日は齷齪として誇るに足らず 今は放して思ひ涯(はてし)無し

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