うん

精選版 日本国語大辞典 「うん」の意味・読み・例文・類語

うん

[1] 〘感動〙
相手意向了解、あるいは承諾したことを表わすことば。〔日葡辞書(1603‐04)〕
浄瑠璃伽羅先代萩(1785)道行「うんと言いなうんと言いな。承知か承知か」
② 何かを思い出したときや、あいまいに相手に答えるときに出すことば。
花間鶯(1887‐88)〈末広鉄腸〉上「『差向(さしむき)十万円もありますれば』『ウン僅か夫れ位のことか』」
③ 相手の意向を問いただすときに言うことば。
※一九二八・三・一五(1928)〈小林多喜二〉七「斎藤は怒った調子を明から様に出して、『うん?』と、うながした」
[2] 〘副〙 (多く、「と」を伴って用いる)
① 苦しがってうなるさまを表わす語。うんうん。
義経記(室町中か)五「膝を抑へて唯一声、うんとばかりを後事(のちごと)にして」
動作に力を入れるときに発することば。
※浄瑠璃・卯月の潤色(1707頃)中「うんとばかりにかっぱと伏し」

うん

〘代名〙 (「うぬ(汝)」の変化した語)
自称。おれ。
滑稽本東海道中膝栗毛(1802‐09)六「うんどもは長さきのもんじゃが」
対称。おまえ。
※浄瑠璃・博多小女郎波枕(1718)上「生れはながさき国なまり、『コリャうんたち。まだ市五郎・三蔵が舟は見へいろ』」

うん

〘接頭〙 ナ行音で始まる動詞の上に付いて、勢いよく、無理に、などの感じを添える。江戸時代の関東の口語的な用法。「うん寝る」「うん飲む」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「うん」の意味・読み・例文・類語

うん

[感]
相手の言ったことに同意するときなどに発する声。親しい人に対して用い、「はい」「ええ」よりも丁寧さが低い。「『一緒に帰ろうか』『うんいいよ』」
力を入れて動作をするときに思わず発する声。「うんとばかりに踏んづける」
[類語](1ほいほいほいはいはいはいはあはっうんうんええ

うん【】[漢字項目]

[音]ウン(呉)(漢)
香草の名。ヘンルーダ。「
昔、1を本にはさんで防虫に用いたところから、書籍のこと。「窓・
[補説]「げい」は別字。

うん

その数が不明であるか、またはわざと示さない場合に代わりに用いる語。「うん万円」「二十うん歳」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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