所を(読み)ところを

精選版 日本国語大辞典 「所を」の意味・読み・例文・類語

ところ‐を【所を】

接続
先行事柄を受けて、そこで、の意を表わす。
歌舞伎・大名なぐさみ曾我(1697)上「敵(かたき)の犬坊がこれへ来るであらう。所をとびかかって本望遂げん」
② 先行する事柄に反する事柄を述べるときに用いる。だが。
※人情本・花筐(1841)二「全躰(ぜんてへ)会といふ奴(やつア)無尽(むじん)同やうにする人が多い。処を一ばんひねって一文もとらず、ただ御馳走をして」
③ 先行する事柄を承認しつつも、それに反することを期待を込めながら述べるときに用いる。そこの所を。それを。
※歌舞伎・韓人漢文手管始唐人殺し)(1789)四「『いかにも親の慈悲に、不孝な伜(せがれ)を手にかくる』ト切付るを、和尚(おしゃう)抜けて其手を留(とめ)て『所をお手にかからぬが、やはり孝行でござります』」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「所を」の意味・読み・例文・類語

ところを[接助]

[接助]形式名詞ところ」+格助詞」から》通常のやり方や予期予定などに反することを行う意を表す。本当なら…のに。「こちらから行くべきところを来ていただく」「縦に並べるところを横にする」

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