デジタル大辞泉
「休」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
やすら・う やすらふ【休】
[1] 〘自ワ五(ハ四)〙
① どうしようかと迷って、
行動に移れないでいる。ためらう。たゆたう。
躊躇(ちゅうちょ)する。
※宇津保(970‐999頃)俊蔭「せちにそそのかし給へど、とかくやすらひて」
② 足を止める。一所に止まってぐずぐずする。たたずむ。
※
蜻蛉(974頃)中「『いとなんゆゆしき心ちしはべる』などいへど、けしきもなければ、しばしやすらひてかへりぬ」
※
源氏(1001‐14頃)
椎本「ここにやすらはむの御心もふかければ
うちやすみ給て」
※
平家(13C前)三「
宋朝よりすぐれたる
名医わたって、本朝にやすらふことあり」
[2] 〘他ハ下二〙 休ませる。ゆるめる。
やすらい やすらひ【休】
① 心が迷って、行動に移れないこと。悩んでためらうこと。躊躇(ちゅうちょ)。いざよい。
※蜻蛉(974頃)中「山の住まひは秋のけしきも見給へんとせしに、又うき時のやすらひにて
中空になん」
② たたずんで、先へ行かないこと。
※
玉葉(1312)春下・一五七「道のべやこの下毎の休らひに待つらむ花の宿やくれなむ〈伏見院〉」
③ 休息すること。休むこと。
※俳諧・野ざらし紀行(1685‐86頃)「昼の休らひとて
旅店に腰を懸て」
きゅう‐・する キウ‥【休】
〘自サ変〙 きう・す 〘自サ変〙
① 休む。休息する。
※
海道記(1223頃)蒲原より
木瀬川「木瀬川の宿に泊て萓屋の下に休す」
② やむ。休止する。終わる。おしまいになる。「万事休す」などと用いる。
※
正法眼蔵(1231‐53)山水経「
運歩もし休することあらば、仏祖不出現なり」
③ 死ぬ。
※談義本・労四狂(1747)上「車叟(しゃそう)、予が早く休(キウ)せむ事を願ふを、予を以死を好む者となじりいふ」
やすまり【休】
〘名〙 (動詞「やすまる(休)」の連用形の名詞化)
① 休まること。休み。
※とりかへばや(12C後)中「安らかに打ちふしたる斗りを、身のやすまりにておはするに」
② 休むために体を支えるもの。休み場所。
※栄花(1028‐92頃)玉の飾「高欄に背中をあてて、それをやすまりに眠(ねぶ)り集まり給ふ」
やすめ【休】
[1] 〘
感動〙 (動詞「やすむ(休)(一)」の
命令形から) 休むことを命ずる時に発する
号令。休憩せよ。休息しろ。
不動の
姿勢・緊張の
状態を解け。〔五国対照兵語字書(1881)〕
[2] 〘名〙 ((一)から転じて) 休むように号令をかけること。また、その時の姿勢。
※初年兵江木の死(1920)〈細田民樹〉二「あれだけ烈しい銃丸の弾道であった青草の上に『休め』をしてゐた」
やすも・う やすもふ【休】
〘自ハ四〙 (動詞「やすむ(休)」に反覆、継続を表わす助動詞「ふ」が付いた「やすまう」の変化したもの) やすみつづける。休んだままでいる。
※続日本紀‐宝亀二年(771)二月二二日・宣命「天皇が朝(みかど)を暫の間も罷り出て休息(やす)み安母布(やすモフ)事無く」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報