デジタル大辞泉
「六」の意味・読み・例文・類語
む【六】
1 ろく。むっつ。声を出して数をかぞえるときの語。「いつ、六、なな、や」
2 ろく。むっつ。名詞の上に付けて用いる。「六月」「六尺」
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
むゆ【六】
〘名〙 (「む(六)」の古形か)
※
書紀(720)雄略九年五月(図書寮本訓)「
韓奴(からやつこ)室
(むろ)、兄
(え)麻呂、弟麻呂、
御倉(みくら)小倉(をくら)、針六口
(ムユ)を以て」
②
物の数を、声に出して順に唱えながら数えるときの六。むう。む。
※
年中行事秘抄(12C末)鎮魂祭歌「一
(ひと)二
(ふた)三
(み)四
(よ)五
(いつ)むゆ七
(なな)八
(や)九
(ここの)十
(たりや)」
[
補注](1)①の
挙例「書紀」の「六口」は六人の意。沖縄の宮古方言では人数六人のことを「むゆのひと」というから、「六口」の訓の「むゆ」も「むゆのひと」という訓の一部だけを示したものか。
(2)②のように口で数を唱えるときも古くは「むゆ」であり、日数
六日も古くは「むゆか」であったから、「むゆ」は「む」から変化したのではなく、その逆の可能性がある。
む【六】
〘名〙 (「み(三)」の
母音変化により
倍数を表わしたものか)
※宇津保(970‐999頃)俊蔭「
相撲出でて、いつ手む手ばかりとりて」
② 物の数を声に出して順に唱えながら数えるときの六
(ろく)。
実際に唱えるときには「いつむーなな」のように長く発音することもある。むう。
※
名語記(1275)四「
ひふとて、手に石ふたつをもちてかはりがはりたまにとるに、ひふみよいむなやこと、といへるは」
りゅう【六】
〘名〙 (「六」の
唐宋音から) 数の六
(ろく)。
清楽(しんがく)の
音符または拳
(けん)などで用いる。むつ。
※浄瑠璃・冥途の
飛脚(1711頃)中「拳の
手品の手もたゆく〈略〉はま、さんきう、ごう、りう、すむゐ」
むう【六】
〘名〙 (「む(六)」を延ばして発音した語) 物の数を、声に出して順に唱えながら数えるときの六(ろく)。
※
洒落本・青楼夜世界闇名月(1789‐1801)局廛宵多話「ひいふうみいよういつむうななやァこのとう十一、トかぞへる内に」
ろんじ【六】
〘名〙 六や六〇・六〇〇などをいう、
駕籠舁(かごかき)・馬方仲間などの符丁。
※雑俳・うき世笠(1703)「きりきりと・ろんぢを分るかごの者」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報