デジタル大辞泉
「安」の意味・読み・例文・類語
やす【安】
形容詞「やす(安)い」の語幹。
1 他より金額の安いこと。また、安くて粗末なこと。「安アパート」「安月給」
2 ある時期よりも金額が安くなること。「五円安」
3 軽々しく行うこと。「安請け合い」
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やすん‐・ずる【安】
(形容詞「やすし」の語幹に「み」の付いた「やすみ」に動詞「す」の付いた「やすみす」の変化した語)
[1] 〘自サ変〙 やすん・ず 〘自サ変〙
① 安らかになる。平安になる。安んじる。
② 与えられた状態などに満足する。甘んずる。安んじる。
※新聞雑誌‐九号・明治四年(1871)八月「門閥世襲(せいしう)に安じ身家を顧慮する所ある時は」
[2] 〘他サ変〙 やすん・ず 〘他サ変〙
① 安らかにする。やすめる。安んじる。
※古文尚書平安中期点(950頃)「
綏定(ヤスム)じ」
※
太平記(14C後)三五「如何してか天下を治め
人民を安
(ヤスン)じ候べき」
② 甘く見る。軽く見る。あなどる。安んじる。
※
滑稽本・
浮世床(1813‐23)初「汝が們までおれを安
(ヤスン)じをる」
あん【安】
〘名〙
① やすらかなこと。危険がないこと。困難がないこと。
※
史記抄(1477)八「安と危との機は、そっとちっとの処に謀で定るものなり」 〔
春秋左伝‐襄公一一年〕
② やすめること。しずめること。落ち着けること。
※禅海一瀾(1862)「自得の術は止定静安慮の五者に在り」
③ (形動) 手軽なこと。値段がやすいさま。
※
胡瓜遣(1872)〈
仮名垣魯文〉初「僕なぞの大食には、安
(アン)で佳味で
泰山ある物にあらずんば満腹愉快に至らぬから」
※拾玉得花(1428)「かくの如く当座
(たうざ)当座のあてがひの安
(アン)、不安の
差別(しゃべつ)によりて」
※
高野山文書‐元徳二年(1330)一一月一五日・則松安売券「合大四十歩者〈在神前番井里十五坪内〉右件安者、則松相伝安也、而今依有要用〈略〉売渡進事明白也」
あん‐・ず【安】
〘他サ変〙
① 安置する。
※春記‐長元元年(1028)九月一〇日「如レ金玉求二得二粒一、即奉レ入レ絹了奉二将向一、只今安二彼御辛樻上一」
※太平記(14C後)
二五「
翌日(つぎのひ)より兼員此の剣を
平野の社の
神殿に安
(アン)じ」
② 心を不安や
心配のないようにする。気持をやすらかにする。
※妙一本仮名書き法華経(鎌倉中)三「いまだ安(アン)(〈注〉ヤスカラ)せざるものをは安(アン)(〈注〉ヤスカラ)せしむ」
やすん・じる【安】
(サ変動詞「やすんずる(安)」の上一段化したもの)
※今年竹(1919‐27)〈
里見弴〉二夫婦「
相手に疑はれてゐるのならば、まだしもみづから安んじるところもあったらうけれど」
やすらぎ【安】
〘名〙 (動詞「やすらぐ(安)」の
連用形の
名詞化) 穏やかな気分。ゆったりと落ち着いた
心持。
※残夢(1939)〈井上友一郎〉三「その馬鹿げたやうな浪費にも、黒田としては一種のやすらぎがあったわけだ」
やすら・ぐ【安】
〘自ガ五(四)〙 安らかな気持になる。ゆったりと落ち着いた心持になる。
※北野天神縁起(鎌倉初)「ひそかにかの馬場へ向ふおりのみぞ、むねのほのほ少しやすらぐ事有」
やすら・げる【安】
〘他ガ下一〙 安らかな気持にさせる。落ち着かせる。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
安 やす
?-? 江戸時代前期の女性。
常陸(ひたち)(茨城県)那珂郡野上村の農民与次右衛門の妻。不治の病におかされた夫から離縁をせまられるが,ことわり,看護の合間に耕作し,姑をいたわった。これを知った徳川光圀(みつくに)より賞金をあたえられ,税をゆるされた。
出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例