武石道(読み)たけしみち

日本歴史地名大系 「武石道」の解説

武石道
たけしみち

筑摩郡と小県ちいさがた郡とを結んだ道で、袴腰はかまごし(一七五二メートル)頂上に近いところを通り、武石峰(一九七三メートル)の北を経て小県郡武石村から丸子まるこを経て上田小諸こもろ方面に通じる。「信府統記」によると「武石通 此路往還ニハアラズ、松本ヨリ上田・小諸等ノ城下ヲ除ケテ、中山道長久保ヘ出ル山道ナリ、松本ヨリ山家・湯ノ原・藤井通リ、船ガ沢ヘノ別レ道、武石峠ニ郡境マテ松本ヨリ三里、峠ノ此方ニ茶屋場アリ、広河原川・焼山川・横沢川三ツ川トモニ歩渡リ、水急ニ出ルナリ、峠ヨリ武石町マデ四里、市ノ瀬川橋長サ八間、雨天ニハ水急ニ出テ橋落ル、又水ノ落ルコトモ早シ、武石町ハ小県郡ニテ上田領ナリ」とある。大名の正式通行はないが、松本藩ではこの道を江戸への近道としてしばしば使っていた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

放射冷却

地表面や大気層が熱を放射して冷却する現象。赤外放射による冷却。大気や地球の絶対温度は約 200~300Kの範囲内にあり,波長 3~100μm,最大強度の波長 10μmの放射線を出して冷却する。赤外放射...

放射冷却の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android