深江駅(読み)ふかえのえき

日本歴史地名大系 「深江駅」の解説

深江駅
ふかえのえき

「延喜式」兵部省諸国駅伝馬条にみえる駅で、駅馬五疋を配備する。当駅は大宰府から水城みずきの西門を経て北上し、鴻臚こうろ(現福岡市中央区)へ至る道から分岐して西に折れ、当駅から佐尉さい駅を経て肥前国登望とも駅から渡海し、壱岐・対馬に至る西海道対馬路に置かれた。怡土いと郡に属し、現深江が遺称地と考えられる。「万葉集」巻五の鎮懐石歌序に「深江駅家」がみえ、「筑前国怡土郡深江の村子負の原に海に臨める丘の上に二つ石あり」として、石の美しさは口では言い表せず、深江の駅家を去ること二〇里ばかりの路傍にあり、往来の者は下馬して礼拝し、また神功皇后が新羅遠征の際、鎮懐石としたという伝説を載せる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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