湿気(読み)しっき

精選版 日本国語大辞典 「湿気」の意味・読み・例文・類語

しっ‐き【湿気】

〘名〙
① しめった空気。また、空気や物に含まれている水分。しめりけ。しっけ。〔日葡辞書(1603‐04)〕
※門(1910)〈夏目漱石二三地面からも、屋根からも、春の記憶を新にすべき湿気(シッキ)がむらむらと立ち上った」 〔倶舎論‐八〕
② 比喩的に、話の内容などが暗く涙をさそうようにしめっぽいこと。
虞美人草(1907)〈夏目漱石〉一〇「謎の女の云ふ事は次第に湿気(シッキ)を帯びて来る」

しっ‐け【湿気】

[1] 空気その他の物に含まれている水分。しめりけ。しっき。
※信心録(ヒイデスの導師)(1592)一「クサ、キ ワ ツチ ノ xicqe(シッケ)、アメ、ツユ ノ メグミヲ モッテ セイヂャウ スル モノ ナリ」
[2] 〘形動〙 しめりけのあるさま。
※玉塵抄(1563)一一湿生はみぞやしっけな所に生」

しっ・ける【湿気】

〘自カ下一〙 湿気を含む。しめる。しける。
道草(1915)〈夏目漱石〉三一書類は〈略〉風の通らない湿気(シッケ)た所に長い間放り込んであった所為か」

しけ・る【湿気】

〘自ラ五(四)〙 =しける(時化)
※三ちゃんも三ちゃんや(1971)〈古山高麗雄〉一「ピーナッツはしけっていて、まずかったけど」

しめり‐け【湿気】

〘名〙 しっき。しっけ。しめりっけ。
※尋常小学読本(1887)〈文部省〉五「紙をけだたしめず、且しめりけを透さざる故に、敷紙包み紙茶づつなどには、甚だ必用の品なり」

しつ‐け【湿気】

〘名〙 梅毒(ばいどく)湿毒
※俳諧・西鶴大矢数(1681)第二一「しつけのふかひ多門天也 鼻声彌勒の出世待ほどに」

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デジタル大辞泉 「湿気」の意味・読み・例文・類語

しっ‐け【湿気】

物や空気の中に含まれている水分。しめりけ。しっき。「湿気を帯びる」「湿気を嫌う」
[類語]湿り気水分水気湿度湿り湿潤多湿潤い潤う潤す

しっ‐き【湿気】

しっけ(湿気)

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

普及版 字通 「湿気」の読み・字形・画数・意味

【湿気】しつき

しめりけ。

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