特牛(読み)コッテイ

デジタル大辞泉 「特牛」の意味・読み・例文・類語

こってい〔こつてひ〕【特牛】

《「ことい」が「こっとい」を経て音変化したもの》「こというし」に同じ。
「ずいきのたけの余る―/孤屋」〈炭俵

ことい〔ことひ〕【特牛】

こというし」に同じ。
淡路渡る―こそ、角を並べて渡るなれ」〈梁塵秘抄・二〉

ことい‐の‐うし〔ことひ‐〕【特牛】

こというし」に同じ。
「―を二ひきまでただ一月見殺たをし」〈浮・沖津白波〉

こっとい〔こつとひ〕【特牛】

《「ことい」の音変化》「こというし」に同じ。〈日葡

ことい‐うし〔ことひ‐〕【特牛】

《古くは「こというじ」とも》頭が大きく、強健で、重荷を負うことのできる牡牛。ことい。こってい。こといのうし
「しぶしぶに馬鍬まぐわ引く小田の―打たれぬ先に歩めと思へど」〈草径集

こってい‐うし〔こつてひ‐〕【特牛】

こというし」に同じ。
「―の二匹づれ」〈浄・振袖始

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「特牛」の意味・読み・例文・類語

こってい‐うし こってひ‥【特牛】

〘名〙 (古くは「こっていうじ」とも。「こというし(特牛)」の変化した語) =こというし(特牛)〔かた言(1650)〕
浄瑠璃持統天皇歌軍法(1713)四「今宵は猪のしし七年物、特牛(コッテイウシ)程なをしてやった」

こってい こってひ【特牛】

〘名〙 (「ことい」の変化した「こっとい」がさらに変化した語) =こというし(特牛)
※俳諧・炭俵(1694)上「くれの月横に負来る古柱〈野坡〉 ずいきの長(たけ)にあまるこってい〈孤屋〉」

ことい‐うし ことひ‥【特牛】

〘名〙 (古く「こというじ」とも) 強健で大きな牡牛。頭の大きい牛。また、単に牡牛のこと。こって。こってい。こってうし。こっていうし。こっとい。ことい。こといのうし。
※俳諧・玉海集(1656)一「たかやすは象とや見まし特うし〈良利〉」

こっとい こっとひ【特牛】

〘名〙 (「ことい」の変化した語) =こというし(特牛)
御伽草子・みしま(古典文庫所収)(室町末)「なんち、こっといにてありしか、たけりをかき、つのにて、ほりうしなひたる」

こって‐うし【特牛】

〘名〙 (「こというし(特牛)」の変化した語) =こというし(特牛)
※雑俳・住吉みやげ(1708)「山にゐるこって牛まで庭の景」

ことい ことひ【特牛】

〘名〙 =こというし(特牛)新撰字鏡(898‐901頃)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

普及版 字通 「特牛」の読み・字形・画数・意味

【特牛】とくぎゆう(ぎう)

犠牲の牛一頭。〔国語、楚語下〕侯は擧(あ)ぐるに特牛を以てし、祀るに太牢を以てす。は擧ぐるに少牢を以てし、祀るに特牛を以てす。

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