迄も(読み)マデモ

デジタル大辞泉 「迄も」の意味・読み・例文・類語

まで‐も【×迄も】

[連語]副助詞「まで」+係助詞「も」》
…にしても。…であっても。「成功しない迄も、もう一度試してみたい」
「用ゐさせ給はぬ―、…このよしを告げ申し侍らむとて」〈明石
…する必要はない。…には及ばない。「ことわる迄もなく、すでに了解ずみの事柄だ」
「これは申す―なけれども」〈虎明狂・目近籠骨〉
[補説]1打消しの語に付き、2は下に打消しの語を伴う。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「迄も」の意味・読み・例文・類語

まで‐も【迄も】

(副助詞「まで」に係助詞「も」の付いたもの)
体言・活用語の連体形副詞を受ける。
(イ) 事態の至り及ぶ限界を示す。「も」は強調・詠嘆を表わす。
万葉(8C後)四・七三九「後瀬山後も逢はむと思へこそ死ぬべきものを至今日毛(けふまでモ)生けれ」
源氏(1001‐14頃)澪標「かくまでもおぼしとどめたりけるを」
(ロ) 下に打消の語を伴って、「それに及ばない」意を表わす。
徒然草(1331頃)一三五「はかばかしき事は片端も学び知り侍らねば、尋ね申すまでもなし」
② 逆接の仮定条件を表わし、接続助詞のように用いられる。
(イ) 打消の語の連体形を受け、「…にしても」の意を表わす。
和泉式部日記(11C前)「月を見てあれたるやどにながむとは見に来ぬまでも誰に告げよと」
(ロ) (①の用法が広がって) 打消の語を伴わず、活用語の連体形を受け、「…にしても」の意を表わす。近世以後の用法。
※滑稽本・浮世風呂(1809‐13)前「蹴鞠なるもの。〈略〉踏みつぶすまでも大きく腹こなしに能てナ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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