本草品彙精要(読み)ほんぞうひんいせいよう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「本草品彙精要」の意味・わかりやすい解説

本草品彙精要
ほんぞうひんいせいよう

中国明(みん)代に書かれた勅撰(ちょくせん)本草書。太医院院判の劉文泰(りゅうぶんたい)らが編集にあたり、1505年(弘治18)に完成させ、孝宗(こうそう)に進呈した。彩色原図を付した豪華本であったが、明、清(しん)時代には刊行されることなく秘蔵され、その後、数奇な運命をたどり、現在は日本に陳蔵されている。文章だけは1937年に上海(シャンハイ)で出版され、このとき初めて本書が世に知られた。『証類本草』などと比較すると、その内容はきわめて簡素で、別名形状薬効などが項目別に記され、それまでの本草書のおもかげはまったく残されていない。

[難波恒雄・御影雅幸]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android