3Dプリンタ(読み)スリーディープリンタ(英語表記)3D printer

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「3Dプリンタ」の意味・わかりやすい解説

3Dプリンタ
スリーディープリンタ
3D printer

すばやく固まる樹脂などを用いて,設計データから直接に立体物を造形する装置インクジェット平面(二次元。2D)に描いたものを何層も積み重ねて立体化する方式や,光硬化樹脂にレーザー光を照射する方式などがある。2000年頃までは「ラピッドプロトタイピング(高速試作)」などと呼ばれ,工業製品・部品量産に使う金型をつくるための試作が念頭におかれていた。2000年代に入って立体(三次元。3D)造形に関する特許の存続期間が次々に終了し,それに合わせるように装置の低廉化が進み,イギリスの研究者らが立ち上げたオープンソースプロジェクトによる 3Dプリンタまで出現。2013年頃には小型なものであれば,家電量販店などでも購入できるようになり,試作品だけでなく,一気に完成品をつくりだす究極の多品種少量生産技術として評価されるようになった。同じ頃,設計データを自作する環境も整い始めた。アメリカ合衆国の三次元コンピュータ援用設計 CADソフトウェア大手オートデスクが無料 CADソフト「Autodesk 123D」の配布を始めたほか,3Dプリンタ大手の 3Dシステムズが,手持ちで表面をなぞるように光で走査し,人物実物大物体の 3Dデータを得ることのできる機種を発売するなど,安価な 3Dスキャナが日本国内にも登場。データ取得から物体作製までを個人でも行なえるようになった。

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パソコンで困ったときに開く本 「3Dプリンタ」の解説

3Dプリンタ

コンピュータで作ったデータから、立体物を作り出す機械です。低価格のものは、溶かした樹脂を少しずつ重ねて乾かしながら形を作る方式が代表的です。書類や写真を紙に印刷するように、手軽に立体物を作り出せることから、この名が付きました。

出典 (株)朝日新聞出版発行「パソコンで困ったときに開く本パソコンで困ったときに開く本について 情報

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