A26長距離機(読み)エーにじゅうろくちょうきょりき

改訂新版 世界大百科事典 「A26長距離機」の意味・わかりやすい解説

A26長距離機 (エーにじゅうろくちょうきょりき)

朝日新聞社が日本紀元2600年(1940)を記念する事業として計画した長距離飛行用の飛行機。Aは朝日を意味する。計画が具体的に始まったのは1940年1月で,東京大学航空研究所が研究と設計に関与,立川飛行機(株)が製作を担当し,42年11月18日初飛行に成功した。全長15.3m,全幅29.438m,1000馬力級エンジン2基をもつ双発機で,非常に細長い主翼が外形上の特色となっている。製作2機中の2号機は43年6月30日ドイツへの連絡飛行のため東京の福生飛行場を離陸シンガポールを経由して7月7日ドイツへ向かったのち行方不明となった。1号機は44年7月2日から3日間にわたり満州で1万6435km,57時間12分の周回飛行世界記録(戦時中のため公認はされず)を作った。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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