AOD 法(読み)えーおーでぃーほう

世界大百科事典(旧版)内のAOD 法の言及

【ステンレス製鋼法】より

…すなわち,電気炉または転炉で溶解,予備脱炭した含クロム溶鉄を入れた取鍋(とりなべ)を真空槽内に移し,取鍋の底からアルゴンガスを吹き込んで溶鉄をかくはんしつつ,溶鉄の表面に酸素ガスを上吹きして,クロムの酸化を抑えながら脱炭を行わせる方式である。
[希釈ガス脱炭法]
 酸素‐アルゴンの混合ガスを含クロム溶鉄に吹き込むと,酸素ガスのみの場合に比べて,発生する一酸化炭素ガスの分圧が下がり,クロムの酸化を抑え,優先的に脱炭を行わせることができるという着想に基づき,68年にAOD(argon oxygen decarburization)法が開発された(図2)。この方法は転炉に似た炉の底部に二重管羽口を設け,内管には酸素とアルゴンを,外管には冷却兼希釈用のアルゴンガスを通して,羽口の溶損をも防ぐ構造になっている。…

【炉外精錬法】より

…ついで67年にはアルゴンガスで溶鋼をかくはんさせるVAD法,71年には電気炉の精錬機能の一部を取鍋に移行した形式のLF法などが開発され,酸素とともに硫黄の除去が取鍋で行われるようになった。以上の方法はおもに炭素鋼および低合金鋼の炉外精錬を目的としているが,ステンレス鋼の精錬を合理化したものがAOD法,VOD法などであり,クロムの酸化による損失を抑制しながら,炭素を選択的に除去している。これはおもに電気炉の溶鋼に適用されるが,転炉の溶鋼をRH法の改良方式で処理するRH‐OB法も開発されている。…

※「AOD 法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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