ATP(読み)エーティーピー

デジタル大辞泉 「ATP」の意味・読み・例文・類語

エー‐ティー‐ピー【ATP】[Association of Tennis Professionals]

Association of Tennis Professionals》男子プロテニス選手協会。男子の世界テニスツアーの組織や選手の世界ランキングを決めるATPポイントを決定する。1972年設立。事務局ロンドン。→ダブリュー‐ティー‐エー(WTA)

エー‐ティー‐ピー【ATP】[automatic train protection]

automatic train protection》走行する高速鉄道車両の車間距離を一定に保つシステム。自動列車防護装置。自動列車保護装置。→ATC

エー‐ティー‐ピー【ATP】[Association of All Japan TV Program Production Companies]

Association of All Japan TV Program Production Companies》⇒全日本テレビ番組製作社連盟

エー‐ティー‐ピー【ATP】[adenosine triphosphate]

adenosine triphosphateアデノシン三燐酸さんりんさん

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精選版 日本国語大辞典 「ATP」の意味・読み・例文・類語

エー‐ティー‐ピー【ATP】

〘名〙 (adenosine triphosphate の略) アデノシン三燐酸

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改訂新版 世界大百科事典 「ATP」の意味・わかりやすい解説

ATP (エーティーピー)



アデノシン-5′-三リン酸adenosine-5′-triphosphateの略称。フィスケC.H.FiskeとサバロウY.Subbarow,およびローマンK.Lohmannにより1929年に,筋肉および肝臓中に存在する熱に不安定なリン酸化合物として発見された。加水分解反応ATP+H2O─→ADP+H3PO4のpH7における標準自由エネルギー変化(-⊿G0′)は7.3kcal/molで,代表的な高エネルギーリン酸化合物である。生体内においては,発酵,解糖の過程で形成される高エネルギーリン酸化合物からのリン酸基転移反応および酸化的リン酸化反応光合成生物の光リン酸化反応によるADP(アデノシン-5′-二リン酸)のリン酸化によって生成する。すべての種類の細胞中に存在し,生物のエネルギー代謝において最も中心的な役割を果たす重要な化合物である。生物は,摂取した栄養物の一部を酸化的に分解することによって,その活動に必要なエネルギーを得る。一般に,物質が酸化される際にはエネルギーは熱として放出されるが,生物は熱エネルギーを直接に利用することはできない。生体内におけるATPの形成は,このエネルギーを熱として散逸させることなく,生化学的諸反応に利用しやすい形に変換する反応である。形成されたATPは以下のように多くの代謝反応に関与し,エネルギー供与体として機能する。生体内で行われる機械的仕事のエネルギー源となるのはATPである。筋収縮の際には,構造上の収縮要素の一部を構成するミオシンというタンパク質そのものによってATPがADPと無機リン酸とに加水分解される。この時に遊離されるエネルギーの一部が機械的仕事のエネルギーに変換されるわけであるが,その仕組みはまだ完全には解明されていない。ATPのエネルギーはまた,物質の能動輸送にも利用される。たとえば,哺乳類の細胞内Na⁺イオン濃度は体液中の濃度の1/10以下に保たれている。これは細胞膜に埋めこまれた特別の酵素が,ATPを加水分解しながらそのエネルギーを利用して,細胞内から細胞外へNa⁺イオンをその濃度勾配にさからって運び続けているためである。ATPはまた一方,種々の物質の生合成過程にエネルギーを供給するためにも利用される。このような反応では,ATPの末端リン酸基またはピロリン酸基が,適当な酵素の働きによっていったん合成の素材となる化合物に転移する場合が多い。ピロリン酸基が放出されて,アデニル酸残基が他の物質と結合することもある。このようなATPとの反応によって素材は活性化され,実際の合成反応に参加できるようになる。活性化反応に直接関与するのがATP以外のヌクレオシド三リン酸であることも多い。しかしGTP,CTP,UTP,TTPなどはいずれもそれぞれの二リン酸化合物にATPからリン酸基が転移することによって形成されるので,そのような反応のエネルギーも究極的にはATPに由来したものである。すなわちATPは,生体内において,エネルギーの獲得過程と消費過程を仲介するエネルギー通貨として機能する物質である。
高エネルギー結合
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百科事典マイペディア 「ATP」の意味・わかりやすい解説

ATP【エーティーピー】

アデノシン三リン酸の略称。塩基(アデニン)と糖(リボース)と3分子のリン酸からなり,末端2個のリン酸基は高エネルギー結合。生体内化学反応のエネルギー伝達物質として細菌,動植物に広く存在し,特に動物の筋肉に多い。解糖クエン酸回路ADPアデノシン二リン酸)から作られ,生体内の物質合成,吸収,成長,運動などの諸反応に使われてADPになる。末端のリン酸基の加水分解ATP+H2O→ADP+H3PO4の際,1モル当り約8kcalのエネルギーを放出。
→関連項目アクトミオシンアセチルコリン異化加水分解酵素環状AMP筋収縮クレアチンリン(燐)酸光合成酸化的リン(燐)酸化スモン(SMON)生合成発酵フラビン補酵素ミオシンミトコンドリア

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知恵蔵 「ATP」の解説

ATP

男子プロツアーの運営母体。正式結成は1972年。テニスの歴史は古く、プロ活動など早くから独自の道をたどってきた。60年代後半のオープン化への流れの中で、米国のWCT(World Championship Tennis)が国際テニス連盟(ITF)の世界ツアー運営に対抗して独自のツアーを展開。独占禁止法の訴訟に敗れたITFはATPを抱き込んでMIPTC(Men's International Professional Tennis Council)を組織した。が、この屋上屋を架した運営も80年代に拍車のかかったスポーツの商業化の流れに飲まれ、90年、ツアーは完全なATP管轄下に移った。冷戦構造の崩壊に伴う普及拡散を受け、2000年、ATPはITF、グランドスラム委員会と共同でマスターズ・シリーズを頂点に再編。現在、グランドスラム4大会のほか、マスターズカップ(1)、マスターズシリーズ(9)、インターナショナルシリーズ(43)、インターナショナル・ゴールド(9)、チーム選手権のツアー63大会が世界30カ国で展開されている。ツアー賞金総額は6355万4594ドル。さらに、チャレンジャー、フューチャーズ、サテライトなどの小大会を傘下に持つ。最高責任者はエティエンヌ・ヴィリエール(南アフリカ)。

(武田薫 スポーツライター / 2008年)

ATP

生体内でエネルギーの「通貨」としての役割を果たす物質。アデノシンに3つのリン酸がつながったもので、そのうちの端から2つが高エネルギーリン酸結合をしているため、加水分解されてリン酸が1つとれてADP(アデノシン二リン酸)、さらに1つとれてAMP(アデノシン一リン酸)になるときに大きなエネルギーが解放され、それが各種の生命活動のエネルギーとして利用される。ATPはまた、RNAの前駆物質としても重要。

(垂水雄二 科学ジャーナリスト / 2007年)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ATP」の意味・わかりやすい解説

ATP
エーティーピー
advanced turbo prop

ターボ・ジェットエンジンのターボ翼軸でプロペラを回し,ジェット噴流の推力とプロペラの推力との併用で飛ぶターボ・プロップ機の改良版。改良点は,プロペラに新素材を使用し,翼数が倍以上の 10~12枚の二重反転プロペラとすることによって直径を小さくして主車軸の脚を短くし,主翼を後退翼にするなどである。これによって,速度や燃費の向上,騒音の減少など性能の向上が期待され,次世代の国内航空旅客機の主力としてボーイング社と協同開発する B7J7への採用が予定されている。

ATP
エーティーピー

アデノシン三リン酸」のページをご覧ください。

ATP
エーティーピー

男子プロテニス協会」のページをご覧ください。

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ASCII.jpデジタル用語辞典 「ATP」の解説

ATP

Apple社のMacintoshが標準で使用するネットワークプロトコルであるAppleTalkのトランスポート層プロトコルの1つ。ATPは、片方向のみだが、コネクション指向で信頼性のあるコネクションを提供する。

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化学辞典 第2版 「ATP」の解説

ATP
エーティーピー

adenosine 5′-triphosphateの略称.[同義異語]アデノシン5′-三リン酸

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栄養・生化学辞典 「ATP」の解説

ATP

 →アデノシン5′-三リン酸

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内科学 第10版 「ATP」の解説

ATP

adenosine triphosphate,アデノシン三リン酸

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世界大百科事典(旧版)内のATPの言及

【解糖】より

…(1)グルコースはリン酸化,異性化,そして第2のリン酸化反応によってフルクトース‐1,6‐二リン酸となる。これらの反応でグルコース1molあたり,2molのATP(アデノシン三リン酸)が消費される。(2)フルクトース‐1,6‐二リン酸はアルドラーゼの作用でジヒドロキシアセトンリン酸とグリセルアルデヒド‐3‐リン酸に開裂し,後者は酸化とリン酸化の反応で1,3‐ジホスホグリセリン酸に変わる。…

【クエン酸回路】より

…次にα‐ケトグルタル酸はNADとCoAの存在下にα‐ケトグルタル酸デヒドロゲナーゼ複合体の作用でスクシニルCoAに変化し,同時にCO2を放出する。スクシニルCoAはオルトリン酸とGDPの関与のもとに,スクシニルCoAシンテターゼの作用でそのチオエステル結合の切断が起こり,コハク酸,GTP,CoAが生成するが,このスクシニルCoAの加水分解の自由エネルギー⊿G゜′はATPとほぼ同程度で,-8kcal/molにおよぶ。コハク酸は次に,FADを補酵素とするコハク酸デヒドロゲナーゼの作用でフマル酸に変わり,フマル酸はフマラーゼの作用でリンゴ酸に変わる。…

【高エネルギー結合】より

…構造式中に~でその所在を示す場合がある。生体物質の中で重要なものにはATP(アデノシン三リン酸)のピロリン酸結合,アセチルリン酸のアシルリン酸結合,ホスホエノールピルビン酸のエノールリン酸結合,クレアチンリン酸のグアニジンリン酸結合などリン酸化合物が多く,これらの物質(または結合)を特に高エネルギーリン酸化合物(または結合)という。しかしそのほかにもアセチルCoAのチオエステル結合,S‐アデノシルメチオニンのメチルスルホニウム結合などの重要な例がある。…

【酸化的リン酸化(酸化的燐酸化)】より

…呼吸基質から分子状酸素への電子伝達反応と共役して,ADPと無機リン酸からATPが形成される過程。この反応によって,糖や脂肪酸の酸化に伴って解放されるエネルギーの一部が,ATPの高エネルギーリン酸結合の形,すなわち生物にとって最も利用しやすい形で捕捉される(高エネルギー結合)。…

【タンパク質合成(蛋白質合成)】より

…各種のアミノ酸分子が,相互にカルボキシル基とアミノ基との間で脱水縮合を続けていく反応であり,ポリペプチド合成反応とも呼ばれる。アミノ酸からポリペプチドを形成する反応にはエネルギーが必要であるが,高エネルギーリン酸結合をもつATP(アデノシン三リン酸)とGTP(グアノシン三リン酸)とがエネルギー源として働く。アミノ酸はATPにより活性化され,アミノ酸のカルボキシル基とtRNAの3′末端のリボースの水酸基とで共有結合を形成し,アミノアシルtRNAとしてリボソームへと運ばれる。…

【ヘキソキナーゼ】より

…糖代謝に関与する酵素。ヘキソース(六炭糖)の6位の炭素にATPのリン酸基を付加する次のリン酸化反応を触媒する。この反応は解糖作用の初期段階に位置し,Mg2+,Mn2+などの2価イオンを必要とする。…

【リガーゼ】より

…合成酵素,シンセターゼsynthetaseともいう。大部分はATP(アデノシン三リン酸),特殊な例ではGTP(グアノシン三リン酸),NAD(ニコチン酸アミドジヌクレオチド)などのリン酸化合物の分解と共役して,2個の分子の間に共有結合を形成させる反応を触媒する酵素の総称。反応の結果として生成する結合の種類は,C-O結合(エステル),C-S結合(チオエステル),C-N結合(アミド,ペプチドなど),C-C結合,P-O結合(ホスホジエステル)など多岐にわたる。…

【リン(燐)】より

…多数のリンタンパク質(牛乳中のカゼイン,卵黄のビテリンなど)が知られ,プロテインキナーゼによりセリンやトレオニンなどのアミノ酸の水酸基にリン酸が結合する。ATPを代表例とする高エネルギーリン酸結合(〈高エネルギー結合〉の項参照)は,エネルギー代謝における最も重要な概念である。またFMN(フラビンモノヌクレオチド),FAD(フラビンアデニンジヌクレオチド)をはじめ,リン酸を含む補酵素も多数知られている。…

※「ATP」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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