Apple SIM(読み)あっぷるしむ(英語表記)Apple SIM

知恵蔵 「Apple SIM」の解説

Apple SIM

世界100以上の国でデータ通信が利用できるアップル社のSIM(Subscriber Identity Module)カード及び、そのサービスを指す。2015年11月17日より日本でも販売が開始された。通信事業者通信回線が利用可能なWi-Fi+CellularモデルのiPad Pro、iPad Air2、iPad mini3、mini4のデバイスが対象であり、16年10月時点で、米国の通信事業者AT&T、Sprintを始め、日本のauソフトバンク等、世界各国の通信事業者の回線が利用できる。
SIMカードは、特定の通信事業者との契約内容に基づいた通話や通信ができるICカードであり、通信に必要な固有情報等が記録されている。通常のSIMカードは、特定の通信事業者の契約に結び付けられているのだが、Apple SIMは、複数の通信業者の契約に対応できる仕組みになっている。通常、同じデバイスを異なる国で利用するには、複数の通信事業者のSIMカードに対応した、SIMフリーと呼ばれるデバイスが必要となり、訪れた国で利用可能な通信事業者のSIMカードに差し替えなければならない。しかし、Apple SIMなら、SIMカードを差し替えなくても、例えば、日本ではauの契約で、米国ではAT&Tの契約で利用する、といったことが可能となる。
Apple SIMは、「Apple Store」で販売されており、SIMカードの価格は600円で、通信にかかる料金は、au、ソフトバンク共に31日間または通信量が1GBまでで1500円。海外では、その国で利用できる通信事業者がデバイス上に表示されるので、名前やメールアドレス、住所などを入力し、支払いはクレジットカードで済ませることができる。したがって、渡航先でプリペイドSIMなどの販売店を探す煩わしさが不要となる。

(横田一輝 ICTディレクター/2016年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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