精選版 日本国語大辞典 「C層」の意味・読み・例文・類語
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地球内部の層構造の名称の一つ。オーストラリアの地震学者ブレンKeith Edward Bullen(1906―1976)が、深さ413~900キロメートルの層に与えた名称で、この層では地震波速度、密度が深さとともに急激に変化する。C層の上部のB層(上部マントル)と下部のD層(下部マントル)とをつなぐ層で、遷移層ともいう。B層、D層では物質の化学組成や結晶構造が深さとともに変化しないのに対し、C層ではこれらが深さとともにしだいに変化していく層と考えられた。
ブレン以後の研究により、C層内の地震波速度は一様に変化するのではなく、深さ約400キロメートルと650キロメートルの2箇所で不連続的に変化することが明らかにされた。650キロメートルの深さが、もっとも深い地震の深さと一致することから、これらの地震波速度不連続をもたらす原因の解明は、地球内部の運動を調べるうえで重要な意義をもっている。
現在では実験室における高温・高圧実験を通じて、C層内の温度・圧力条件下で、マントルを構成する種々の鉱物が相転移を行うことが明らかにされている。C層内の地震波速度や密度の変化は、橄欖(かんらん)石や輝石などの鉱物が、高温・高圧下でより稠密(ちゅうみつ)な結晶構造をもつ鉱物へと相転移するためであるといわれている。
[水谷 仁]
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