CIS集団安全保障条約(読み)しーあいえすしゅうだんあんぜんほしょうじょうやく/CISしゅうだんあんぜんほしょうじょうやく

知恵蔵 「CIS集団安全保障条約」の解説

CIS集団安全保障条約

1992年にCIS集団安全保障条約が締結されたが、機構としては形も明確ではなかった。99年4月20日に、条約の期限が終了したが、アゼルバイジャングルジアウズベキスタンの3カ国は延長しなかった。米同時多発テロ後、米軍の中央アジア駐留に対抗して、2002年12月にはロシアなどがキルギスのカント基地への駐留を決め、03年4月にはカザフスタンでCIS集団安保軍が合同演習を行った。同年4月末にタジキスタンに集団安保条約に加盟するロシア、ベラルーシアルメニア、カザフスタン、キルギス、タジキスタンの6カ国の首脳が集まり、CIS集団安全保障機構の初代事務総長にニコライ・ボルジュジャ・ロシア元大統領府長官を任命した。05年にはグルジアやモルドバでロシア軍撤退の要求が強まり、CIS諸国がまとまって軍事協力を行うのはほぼ不可能となった。05年に急速にロシアに接近したウズベキスタンは、06年6月に復帰した。ウズベキスタンは05年には駐留米軍を撤退させていた。最近はロシアを中心にこの機構を強化する動きが目立つ。

(袴田茂樹 青山学院大学教授 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android