CNOサイクル(読み)シーエヌオーサイクル

デジタル大辞泉 「CNOサイクル」の意味・読み・例文・類語

シーエヌオー‐サイクル【CNOサイクル】

水素原子核陽子)4個からヘリウム原子核1個を生成する核融合反応質量太陽の2倍程度の主系列星内部で、中心温度が2×107K以上の場合、主にこの反応が起こる。1937年から1939年にかけて、H=ベーテ、C=F=v=ワイツゼッカーにより提唱された。名称はこの反応が炭素C、窒素N、酸素Oを媒介とすることに由来する。ベーテサイクルベーテワイツゼッカーサイクルCNサイクル

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百科事典マイペディア 「CNOサイクル」の意味・わかりやすい解説

CNOサイクル【シーエヌオーサイクル】

炭素・窒素・酸素サイクルとも。水素からヘリウムを合成する熱原子核反応の一つ。太陽の質量の2倍程度より重い主系列星が光として放射するエネルギーをまかなっている反応である。1930年代に提唱されたときは,炭素と窒素を媒介として起こる反応とされたためCNサイクルと呼ばれたが,その後酸素も組み込まれていることが明らかになった。恒星内部で起こる反応としては,解放されるエネルギーがもっとも大きい。なお,太陽質量の2倍程度よりも軽い主系列星の内部ではこの反応ではなく,ppチェーン(pp反応)が起こっている。

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法則の辞典 「CNOサイクル」の解説

CNOサイクル【CNO cycle】

ベーテ‐ヴァイツゼッカーサイクル*,またはベーテサイクル*ともいう.2×107 K以上の温度で,水素原子核4個からヘリウムの原子核1個(プラス陽電子2個)が生成する循環反応で,途中に炭素,窒素,酸素の原子核を含むのでこの名がある.太陽の2倍以上の質量をもつ主系列星や巨星エネルギー源となっている.

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