DI(ディフュージョンインデックスdiffusion index)(読み)でぃーあい

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

DI(ディフュージョンインデックスdiffusion index)
でぃーあい

ディフュージョン・インデックスdiffusion indexの略。CI(コンポジット・インデックスcomposite index)と同様に、複数のデータの動きを集約し、その傾向を示すために用いられる統計的な手法の一つである。プラスかマイナスかといった変化の方向に注目し、データがもつ量感は捨象している点がCIとは異なる。

 なお、同じDIとよばれていても、経済データによって計算方法が異なる点に注意が必要である。たとえば、景気動向指数のDIでは、先行指数一致指数遅行指数のそれぞれを構成する経済データのなかで、3か月前の値と比較して上昇(景気がよくなると統計数字が低下する逆サイクル系列の場合は下降)したデータの割合をDIとよんでいる。なお、DIが50%を上回るなら景気拡張、50%を下回るなら景気後退局面と判断する。

 一方、日本銀行日銀)の全国企業短期経済観測調査(短観)の判断項目では、三つの選択肢のうち、第一選択肢の回答割合から第三選択肢の回答割合を差し引いたものをDIとよんでいる。たとえば、業況判断であれば、「良い」と回答した割合から「悪い」と回答した割合を差し引いて計算している。このほか、DIは景気ウォッチャー調査などでも算出されている。

[飯塚信夫 2021年5月21日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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