EBウイルスが関係する病気

六訂版 家庭医学大全科 の解説

EBウイルスが関係する病気
(感染症)

 この15年間に、EBウイルスが関係する多種類の病気(感染症からがんまで)が明らかにされてきました。

 なぜ多くのウイルスのなかでEBウイルスだけが、さまざまの異なった病気を引き起こしうるのか? その答えは、EBウイルスがヒト血液細胞上皮細胞など、多種類の細胞に潜伏感染するからです。

 感染症としては急性の伝染性単核(球)症が有名ですが、慢性型の加齢性リンパ球増殖症の存在が近年明らかにされました。この病気は免疫不全のない高齢者にみられ、EBウイルスの感染したBリンパ球の増殖症です。一方、予後不良血球貪食(けっきゅうどんしょく)症候群や慢性活動性EBウイルス感染症、蚊アレルギー、種痘様水疱症などは、EBウイルスが感染したTやNK細胞の増殖症であり、感染細胞の同定が診断治療上極めて重要です。

出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報

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