EC統合(読み)イーシーとうごう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「EC統合」の意味・わかりやすい解説

EC統合
イーシーとうごう

独仏関係の安定化とヨーロッパ平和の確保を目的に,1952年に設立されたヨーロッパ石炭鉄鋼共同体にヨーロッパ経済共同体,ヨーロッパ原子力共同体が加わり,67年にはヨーロッパ共同体 (EC) が誕生した。 68年の関税同盟完成ののち,70年代の停滞期を経て,86年の単一ヨーロッパ議定書締結が再び統合を進展させ,93年には単一市場形成,さらに通貨統合の日程と政治統合の進展を定めたヨーロッパ連合条約が 93年 11月に発効紆余曲折を経ながらも EC統合は深化・拡大してきた。しかし,EC委員会や官僚に対する権限集中への反発国家主権や国民的アイデンティティ喪失への不安,旧ユーゴスラビア紛争における対応をめぐる混乱など,通貨統合,政治統合の実現は依然未知数である。

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