EDP会計(読み)いーでぃーぴーかいけい(英語表記)accounting by electronic data processing

日本大百科全書(ニッポニカ) 「EDP会計」の意味・わかりやすい解説

EDP会計
いーでぃーぴーかいけい
accounting by electronic data processing

旧来手動での記帳計算による会計組織に対して、コンピュータを記帳・計算の中心に据えた会計組織もしくはその手法コンピュータ会計と同義と理解されている。

 企業は、仕訳勘定口座へ転記し、会計期間の終わりに帳簿を締め切り、その結果を貸借対照表損益計算書にまとめるといった作業を行う。これらの作業について、コンピュータを利用することで、手書き作業に伴う時間や経費を削減し、正確性を高め、さらには作業効率を向上させることが可能となる。

 日本の企業経営にコンピュータが本格的に登場したのは1950年代~1960年代であり、この時期に、会計処理にもコンピュータが利用され始めたといわれている。現在では、コンピュータ会計用のソフトウェアを通じて、会計業務を遂行することが一般的である。当該会計ソフトウェアの利用に際して、マイクロソフト社の表計算ソフト「エクセルExcel」が併用されることもある。そのほか、ERPシステム(エンタープライズ・リソース・プランニング・システム。統合基幹業務システムともいう)を通じて、会計業務が実践されることもある。

[湯澤晃明 2022年12月12日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「EDP会計」の意味・わかりやすい解説

EDP会計
イーディーピーかいけい
accounting by electronic data processing system

コンピュータ会計ともいう。一般的には会計の事務処理にコンピュータを利用し,迅速,正確,精密,経済的な処理を目指し,省力化をはかるものをさす。しかし今日ではコンピュータの利用も高度に発達し,それを組込んだ高度の会計情報システムが形成され,この場合には EDP会計は会計情報システムと混然一体となっている。いずれにせよその中心は記録,計算,点検分類,製表などの作業であり,定型的処理が多い。このため処理システムの明確化や会計処理の作業プログラム化が必要となる。また会計へのコンピュータの導入会計監査の面にも大きな影響を与えている。

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