EMS(Express Mail Service)(読み)いーえむえす

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

EMS(Express Mail Service)
いーえむえす

国際郵便サービスの一つ。英語表記Express Mail Serviceの略である。日本では国際スピード郵便ともいう。重さが30キログラム以内の封書類や荷物を世界120以上の国・地域に送り届ける。国際郵便のなかでもっとも早く届く航空便である。基本的には荷の引き受けから配達までの送達がバーコードラベルで記録され、郵送事故などの場合には200万円の限度内で補償が受けられるが、国によっては保障や配達情報追跡などの付加サービスに対応していないこともある。日本郵便の全国の窓口で依頼できる。料金はすべて前納制で、配達先で差額が請求されることはない。専用ラベルに宛先(あてさき)や郵便物の内容などを記入し、20万円を超える物品を送る場合は通関手続が必要になる。

 万国郵便連合UPU)のEMS Cooperative(国際スピード郵便協同組織)に加盟する国・地域の192事業体(2014年5月時点)により運営されている。日本では1975年(昭和50)に国際ビジネス郵便名称で、イギリス香港、ブラジル宛ての取り扱いが開始され、当時は東京国際郵便局と大阪中央郵便局の窓口のみで受け付けられた。以降、国際ビジネス便、国際ビジネス郵便、国際エクスプレスメールと名称が変わり、2000年(平成12)より国際スピード郵便となった。2013年からは保冷配送サービス「クールEMS」が台湾とシンガポール向けから始まり、徐々に対象地域を拡大している。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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