FIFA ワールドカップ ロシア大会(読み)ふぃふぁわーるどかっぷ ろしあたいかい(英語表記)FIFA WORLD CUP(2018)

知恵蔵 の解説

FIFA ワールドカップ ロシア大会

2018年6月14日から7月15日にかけて、ロシアの11都市12会場で行われたサッカーの世界大会主催国際サッカー連盟(FIFA)。開催国のロシアと予選を勝ち上がった31カ国の、合わせて32カ国が参加して開催された。
大会はまず32カ国を4カ国ずつとなるAからHの八つのグループに分けてそれぞれリーグ戦を行い、各グループの上位2チームが決勝トーナメントへ進んだ。この1次リーグの計48試合では予想された試合結果を覆す、いわゆる番狂わせが相次いだ。大会直前である6月7日付のFIFAランキング世界1位で、4年前に行われた前回大会の優勝チームであるドイツは、この1次リーグ初戦でランキング15位のメキシコ敗戦。続くランキング24位のスウェーデンにこそ勝利したものの、1次リーグ最終戦ではランキング57位の韓国に敗れ、1勝2敗というグループ最下位の成績決勝トーナメントに進むことなく敗退となった。前回大会の優勝チームが1次リーグで姿を消すのは10年のイタリア、14年のスペインに続いて3大会連続となり、4年前の覇者が上位16チームに入ることすらできないというワールドカップで勝ち上がる難しさを改めて示す結果となった。
1次リーグ終了後、各組上位2チームに入った計16チームで決勝トーナメントを行い、準決勝ベルギーに勝利したフランスと、イングランドをくだしたクロアチアが決勝へ進出。決勝戦はフランスが4対2でクロアチアをくだし、5大会ぶり2度目となるワールドカップ制覇を成し遂げた。なお決勝戦の前日には3位決定戦が行われ、ベルギーがイングランドに2対0で勝利を収めて3位となっている。大会の得点王は6点をマークしたイングランドのハリー・ケイン。最優秀選手はクロアチアのルカ・モドリッチが選ばれた。
6大会連続6回目の出場となった日本は、1次リーグを1勝1敗1引き分けの2位となって、決勝トーナメントへ進出。しかしトーナメント初戦でベルギーに2対3で敗れ、ベスト8入りすることはできなかった。
大会は計64試合が行われ、総入場者数は3百3万1768人を記録。1試合平均4万7千人の観客を集めた。全ゴール数は169。そのうちフリーキック、コーナーキック、ペナルティーキック(PK)からの得点は43%の73点もあり、セットプレーからの得点の多さが目立った。特にPKによるゴールは過去最多の22を数えた。これにはワールドカップでは今大会から導入されたビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)が大きく影響。これまでは見落とされていたファウルをきっちりと映像で見て主審に助言する形で指摘し、正確な判定が行われるようになった。その一方で、VARからの助言を受けて主審が映像を確認するため試合が中断するというマイナス面についての声も数多く上がった。

(場野守泰 ライター/2018年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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