引通(読み)ひきとおし

精選版 日本国語大辞典 「引通」の意味・読み・例文・類語

ひき‐とおし ‥とほし【引通】

〘名〙
① 終わりまで引き続けること。一つのものをずっと引きとおすこと。
※俳諧・斧の柄(1811)「箱館より引通しの馬雇て松前へゆくとき」
② 糸やひもなどを物の中に引いて通すこと。また、そのもの。
風俗画報‐二五三号(1902)動植門「鉤の上二三寸のところにヒキトホシの鉛錘を附け」
藺草(いぐさ)の長いものを用いて、中で継がないでそろえて織った備後表(びんごおもて)
建築曲線からなる部分の両端を結んだ線。その水平に対する傾斜度合を引通し勾配という。

ひき‐とお・す ‥とほす【引通】

〘他サ五(四)〙
① 終わりまで続けて引く。引きおおす。また、終わりまで継続する。
※羅葡日辞書(1595)「Meridianus〈略〉テンチノ ヅニ キタヨリ ミナミニ fiqitouosu(ヒキトヲス) スヂ」
② 引いて中を通らせる。引いて移動させる。
台記‐保延二年(1136)一二月二五日「自西透廊僧正引出物馬、対南橋をひきとほさんとす」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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