Gタンパク質(読み)ジータンパクシツ

化学辞典 第2版 「Gタンパク質」の解説

Gタンパク質
ジータンパクシツ
G protein

膜7回貫通型受容体刺激を細胞内に伝える中継役.グアニンヌクレオチドを結合するところからこの名がある.αβγサブユニットからなる.受容体に結合している状態では,αサブユニットにGDPが結合しているが,受容体刺激を受けると,GDPがGTPと入れ替わり活性化される.これに伴い,αβγからαとβγの二つに分かれ,それぞれの標的タンパク質に作用する.多数のサブタイプが存在し,たとえばアデニルシクラーゼに作用し,サイクリックAMPの産生を促進するものをGs,抑制するものをGi,あるいはホスホリパーゼCを活性化してイノシトールトリス(リン酸二水素)(IP3)を産生するものをGqというように分類している.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

栄養・生化学辞典 「Gタンパク質」の解説

Gタンパク質

 GTP結合タンパク質一つグループ細胞膜に存在する.受容体からの信号を伝達する機能をもつ.エピネフリングルカゴンなどのホルモン受容体からの信号を受けてアデニル酸シクラーゼを活性化するGsのほか,アデニル酸シクラーゼ活性を抑制するGi,その他のグループがある.いずれもα,β,γの3種のサブユニットで構成され,αサブユニットはGTPアーゼ活性をもつ.

出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報

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