G20(読み)ジートゥエンティー

デジタル大辞泉 「G20」の意味・読み・例文・類語

ジー‐トゥエンティー【G20】[Group of Twenty]

Group of Twenty》20か国財務相・中央銀行総裁会議。世界的な経済の安定と成長をはかるための国際会議。年1回開催。G7(主要7か国財務相・中央銀行総裁会議)の米国英国・フランス・ドイツ・日本・イタリアカナダと、ロシア・中国・韓国・インドインドネシアオーストラリアトルコサウジアラビア南アフリカメキシコブラジルアルゼンチンEU欧州連合)の20か国・地域で構成される。→ジー‐セブン(G7)1

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「G20」の意味・わかりやすい解説

G20
じーとぅえんてぃー

Group of Twentyの略称。世界的に重要な経済・金融問題を協議する国際会議、また、そのメンバーである20か国・地域をさす。メンバーは日本、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、カナダのG7(ジーセブン)Group of Sevenに加え、ロシア、中国、インド、韓国、インドネシア、オーストラリア、サウジアラビア、南アフリカ、トルコ、メキシコ、ブラジル、アルゼンチン、ヨーロッパ連合(EU)。会議には首脳会議(G20サミット)と財務大臣・中央銀行総裁会議があり、財務大臣・中央銀行総裁会議には、国際通貨基金IMF)、世界銀行、ヨーロッパ中央銀行などの代表も参加する。会議では金融危機や財政健全化などの世界経済が抱える諸問題のほか、地球温暖化、新型ウイルス、テロ、途上国支援などについても協議される。議長国は持ち回りで、事務局は原則として開催国が務める。

 1970年代から1980年代にかけて、世界経済や国際通貨に関する重要問題が生じた際、日本、アメリカ、イギリス、フランス、西ドイツ(当時)の西側先進5か国(G5(ジーファイブ)、Group of Five)は随時、財務大臣と中央銀行総裁による非公式会合で対策を協議していた。1985年にはドル高是正で合意(プラザ合意)するなどの実績をあげ、翌1986年からはカナダ、イタリアを加えたG7が財務大臣・中央銀行総裁会議を定期開催していた。その後の冷戦終結やグローバル化による新興国の台頭にあわせ、1999年の財務大臣・中央銀行総裁会議(ベルリン会合)に初めて20か国・地域が参加した。2008年のリーマン・ショック後には、当時のアメリカ大統領ブッシュの呼びかけで、初めて首脳によるG20サミットを開き、2009年の第3回20か国・地域首脳会合(ピッツバーグ・サミット)から毎年開催されるようになった。G20の域内総生産(GDP)は世界の8割強、人口は40億人に達しており、最近の国際会議ではG7よりG20の存在感が増している。ただし、G20では国家間の利害が対立しやすく、合意形成もむずかしい。このため金融危機などの緊急課題に対しては、G7が機動的に対処するケースが多い。

[編集部]

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百科事典マイペディア 「G20」の意味・わかりやすい解説

G20【ジートゥエンティー】

先進7ヵ国と欧州連合に12の新興経済国を加えた経済・金融国際会議。米,英,仏,独,伊,日,加の7つの国・地域はG7として財務大臣・中央銀行総裁会議を定期的に開催していたが,これを拡大して1990年より開催。加盟国はG7に加えてアルゼンチン,韓国,オーストラリア,メキシコ,トルコ,ブラジル,インド,ロシア,インドネシア,サウジアラビア,中国,南アフリカ,EU(欧州連合)。G20全体で世界のGDPの9割強,貿易額の8割を占めている。会議にはIMF,世界銀行,国際エネルギー機関などの国際機関の代表も参加している。また,G20以外の国が臨時参加することもある。2008年米国発の世界金融危機と世界同時不況,2010年・2011年のユーロ危機ソブリンリスクなど,連続する経済危機で,その役割が重大化している。2013年4月にワシントンで開催された財務相・中央銀行総裁会議では,第二次安倍内閣と日本銀行・黒田東彦総裁が打ち出した大規模な金融緩和による日本のデフレ状況の克服という経済政策(アベノミクス)が注目された。G20のなかでも突出した財政赤字(政府債務)を抱える日本が,財政規律を無視するかのような極端な金融緩和政策を採用することに各国とも強い警戒感があり,会議は金融政策の対象は国内経済の問題と受け止めつつ財政規律の中期計画を日本に強く求めた。同年9月にロシアのサンクトペテルブルグで開催されたG20首脳会合(サミット)では財政健全化に向けた具体的な取組方針を示し各国首脳から強い期待と高い評価が寄せられた。2014年11月のオーストラリアのブリスベンでの首脳会合では〈経済成長率を2%以上底上げする〉などの首脳宣言が出されたが,世界経済は停滞しており目標実現の道筋は描けていない。安倍首相は2015年10月の消費税率10%への再増税の見送りについて記者団に問われたが,景気回復を確実にするための〈再増税見送り〉をにおわせた。日本の財政再建の遅れを懸念する声も根強く存在している。
→関連項目ラガルド

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「G20」の意味・わかりやすい解説

G20
ジートゥエンティ

20ヵ国・地域首脳会議」のページをご覧ください。

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