Guillaume de Sens(英語表記)GuillaumedeSens

世界大百科事典(旧版)内のGuillaume de Sensの言及

【イギリス美術】より

…これに対し1093年に着手されたダラム大聖堂はリブ・ボールトを採用した建築,言い換えればゴシックの名に値する建築としては,イギリスのみならずヨーロッパでも最初の例とされる。しかしその後のゴシック建築の展開はフランスが主導権を握り,12世紀末にはフランスの工匠ギヨーム・ド・サンスGuillaume de Sensが渡英してカンタベリー大聖堂の新築の指導に当たり,イル・ド・フランスを中心に発達したフランスのゴシック様式を伝えた。12世紀末から13世紀にかけての〈初期イギリス様式Early English Style〉は,大陸での盛期ゴシックに当たり,ウェルズ,リンカン,ソールズベリーなどの大聖堂が生まれた。…

【カンタベリー大聖堂】より

…12世紀後半より巡礼地となったが,1174年の火災でノルマン期の内陣部が焼失。フランスより工匠ギヨーム・ド・サンスGuillaume de Sens(サンスのギヨーム)が招かれて修復に当たり,フランスのゴシック様式を初めてイギリスに導入した。イギリスの工匠ウィリアムが引き継ぎ,1184年完成。…

【ゴシック美術】より

…すでにノルマンディーとともに,イギリスはその力強いロマネスク建築にリブ・ボールトをとりいれ,ダラムの大聖堂(1093‐1133)のような大規模なものを実現して,初期ゴシック建築の形成に影響するところが多かったが,フランスのゴシック美術が確立されるに及んで,一部では逆にその影響をうけいれた。カンタベリー大聖堂改築の際フランスの工匠ギヨーム・ド・サンスGuillaume de Sensの指導のもとに新様式で内陣(1175‐92)が建てられ,13世紀にはイギリス王の戴冠式をあげるウェストミンスター・アベーがランス大聖堂を範として建てられ(内陣1245‐,身廊1298‐),ヘンリー3世のセント・ステファン礼拝堂(1269,現存せず)はパリのサント・シャペルにならった名建築であった。しかし,これらのフランス様式にならったものでも,イギリス的な特徴を失わない。…

※「Guillaume de Sens」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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