HST(読み)エッチエスティー

デジタル大辞泉 「HST」の意味・読み・例文・類語

エッチ‐エス‐ティー【HST】[hypersonic transport]

hypersonic transport》極超音速旅客機音速の5~6倍、時速7000キロ程度のスピード成層圏の上を飛ぶもので、NASA(米国航空宇宙局)などで開発検討を始めている。

エッチ‐エス‐ティー【HST】[Hubble Space Telescope]

Hubble Space Telescope》⇒ハッブル宇宙望遠鏡

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改訂新版 世界大百科事典 「HST」の意味・わかりやすい解説

HST (エッチエスティー)

hiper-sonic transport(極超音速輸送機)の略で,SST(超音速輸送機)よりもはるかに高速の輸送用の航空機。このような航空機は構想としては1930年代からあったが,60年代にSSTの開発が始まるとともに,次の輸送機として研究が進められるようになった。M5(マッハ5,音速の5倍)からM10以上のものまで考えられているが,M6程度の速度が良いとの意見が多い。このような高速だと経済的な巡航高度は約3万mとSSTの約2倍で,ソニックブームが小さくなるためSSTでは制限されている陸上の超音速飛行も可能性がでてくる。機体はアスペクト比の小さい三角翼機が有利とされ,高速では機体下面の空気の圧力上昇で揚力を得る形式になる。エンジンもM3~4以上になると,機の進行速度で空気をせき止めるだけで作動に十分な圧縮ができるので,圧縮機やタービンのないラムジェットエンジンまたはスクラムジェットエンジン(超音速気流中で燃焼を行うラムジェットエンジン)が使われる。ただしこれらのエンジンは低速では作動しないので,離着陸用にはふつうのジェットエンジンが必要となる。燃料には液体水素が有望で,これは液体水素の重量が,同じ発熱量の石油系燃料の約1/3ですむのと,その低温(約-253℃)を空力加熱による客室や機体の温度上昇の防止に利用できるためである。M6では空力加熱のため機体下面は500~600℃にもなる。燃料の液体水素で機体を冷却すれば,ふつうの飛行機に近いアルミ合金やチタン合金の構造ですむといわれる。しかしHSTの開発や運航にはSST以上に経費がかかると考えられており,また技術的にも未解決の部分も多い。
SST
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「HST」の意味・わかりやすい解説

HST
えいちえすてぃー

High Speed Trainの略称。イギリス国鉄(1994~1997年、分割・民営化された)が特急列車用として1976年から営業運転している流線形のディーゼル動力固定編成列車。動力集中式で両端車両動力車になっていて、中間に8両程度の付随車を連結し、非電化区間を中心に主要都市間連絡サービスを行っている。HSTを使った特急は、時速125マイル(約200キロメートル)の高速を発揮するので、インターシティ125とよばれる。出力2000馬力のディーゼル機関で発電し電気駆動する。オーストラリアでもこの列車が採用されている。

[西尾源太郎・佐藤芳彦]

『マレー・ヒューズ著、菅建彦訳『レール300世界の高速列車大競争』(1991・山海堂)』『佐藤芳彦著『世界の高速鉄道』(1998・グランプリ出版)』

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知恵蔵 「HST」の解説

HST

ハッブル宇宙望遠鏡」のページをご覧ください。

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