He-Ne(ヘリウムネオン)レーザー(読み)ヘリウムネオンレーザー

化学辞典 第2版 の解説

He-Ne(ヘリウムネオン)レーザー
ヘリウムネオンレーザー
He-Ne laser

ヘリウムネオンの混合気体を放電で励起して得られる中性原子レーザー発振線は3本あり,633 nm,1.15 μm,および3.39 μm である.それぞれNe原子の3s→2p,2s→2pおよび3s→3p遷移に相当する.1.15 μm の発振は,1960年に気体レーザーとしてはじめて発見された歴史的なものである.He励起状態23 S1はNeの2s状態にエネルギー的に近く,励起状態21 S0はNeの3s状態に近い.それゆえ,Heの二つの励起状態のエネルギーは共鳴的にNeに移動する.He-Neレーザーは連続発振でき,干渉性も安定性もすこぶる高い.とくに633 nm レーザーは光学系の調整に欠かせないものになっている.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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