Newbery,J.(英語表記)NewberyJ

世界大百科事典(旧版)内のNewbery,J.の言及

【絵本】より


【外国】
 絵本の祖は前述したボヘミアの人コメニウスの《世界図絵》(1658)であるが,絵本の伝統はイギリスに根強い。
[イギリス]
 ぶっきらぼうな教科書だった板本のホーンブックhornbookが16世紀に始まり,17世紀から18世紀にわたって行商人の持ち歩く通俗本チャップブックchapbookがはびこるのであるが,イギリスでは子どもを心から愛したニューベリーJohn Newbery(1713‐67)が1744年に《小さなきれいなポケット本》を出してから,子どもの本の伝統がきずかれた。ビューイックThomas Bewick(1753‐1828)が木版で素朴な田園風景と動物とを生かし,W.ブレークがエッチングで内的な世界をひらき,ついにE.リアが石版で《ナンセンスの本》(1846)を著して,常識をこえたおかしさへ子どもを誘いこんだ。…

【児童文学】より


[イギリス]
 16~17世紀は手鏡のようなホーンブックhornbook,17~18世紀は江戸時代の赤本のような行商人によるチャップブックchapbookが,子どもたちの唯一の本だった。しかし1744年にニューベリーJ.Newberyがロンドンのセント・ポール大聖堂前に,世界で初めての子どものための本屋をひらいて,小型の美しい本を発行し,伝承歌謡を集めた《マザーグースの歌(マザーグース)》やO.ゴールドスミスに書かせたと思われる初の創作《靴ふたつさん》を送り出した。しかし18世紀を支配したJ.J.ルソーの教育説はたくさんの心酔者を出して,児童文学は型にはまり,C.ラムは姉メアリーとともにこの風潮に反抗して,《シェークスピア物語》(1807)などを書いたが,児童文学が自由な固有の世界となるには,ペローやグリム,アンデルセンの翻訳をまたなければならなかった。…

【マザーグース】より

…イギリスでは〈nursery rhymes(子ども部屋の歌)〉と呼ぶのが普通。この俗称の起源は,1765年ころニューベリーJohn Newberyが出版した童謡集《がちょうおばさんの歌Mother Goose’s Melody》にあるといわれる(この書名には1697年に出版されたフランスのC.ペローの童謡集の副題《がちょうおばさんの物語Contes de ma mère l’Oye》の影響があるだろう)。18世紀初頭のボストンで孫たちに童謡を教えたエリザベス・グース夫人の名まえに由来するというアメリカの俗説もある。…

※「Newbery,J.」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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