改訂新版 世界大百科事典 「OECD原子力機関」の意味・わかりやすい解説
OECD原子力機関 (オーイーシーディーげんしりょくきかん)
Nuclear Energy Agency of OECD
略称OECD-NEA。OECDの下部機関の一つで,原子力平和利用の開発を目的とする。OECDの前身であるOEECの原子力機関として1959年に設立され,OEEC原子力機関(略称OEEC-ENEA)と称していたが,72年拡大改組され,現称となった。日本は1965年OEEC-ENEAに準加盟,72年OECD-NEAに正式加盟。97年10月末現在,世界27ヵ国(ニュージーランド,ポーランドを除くOECD全加盟国)が加盟し,本部はパリにある。機関の運営は,OECD理事会の下にある運営委員会により行われ,運営委員会の下に各種専門委員会,ワーキング・グループ等があり,運営委員の仕事を助けている。業務の内容は,原子力活動の安全性および規制に関する諸問題について,技術基準の作成,パンフレット類の出版などの業務のほか,加盟国間での共同研究,共同事業などを行っている。代表的なものに,原子力関係のデータとプログラムの共同利用を行うNEAデータ・バンク事業,放射性廃棄物の大西洋投棄監視システム事業などがある。
執筆者:林 幸秀
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