PlayStation Network（読み）ぷれいすてーしょんねっとわーく（英語表記）PlayStation Network

知恵蔵

PlayStation Network

ソニーのグループ会社で、プレイステーション3(PS3)やプレイステーションポータブル(PSP)などを展開しているゲームメーカーのソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)社が、ユーザー向けに提供しているサービス。無料のオンラインゲーム、チャットの他、有料のゲームソフトや映画、コンテンツのダウンロードなどが可能で、国内のユーザー数は約750万人。世界59カ国にも多くの登録ユーザーがいる。同ネットワークの利用にはアカウントが必要で、インターネットに接続されたPS3、PSPやパソコンから、携帯電話以外のEメールアドレスと現住所を入力してアカウントを作成する。アカウントの作成は無料。なお、有料サービスの支払いは、「ウォレット」と呼ばれるネットワーク上の財布を利用するため、クレジットカードなどを経由して、ウォレットに入金しておく必要がある。
11年4月、同社システムに不正アクセスの疑いがあることが発覚し、27日には同社から、7700万件の個人情報、1000万件のクレジットカード番号が流出した可能性があると発表され、史上最大規模の個人情報漏洩(ろうえい)事件となった。
以後同サービスは全面的に停止していたが、6月上旬に日本、香港、韓国を除く全地域において再開した。なお、再開に際して、ゲームコンテンツやネットワークサービスの利用権などをセットにした「感謝とおわびのパッケージ」が無料提供されている。
ソニーは、今回の漏洩事件に米国のハッカー集団「アノニマス」が関与していると示唆したが、アノニマス側はこれを否定している。ちなみに6月10日にはスペイン警察当局がアノニマスに所属する3人を漏洩事件関与の疑いで逮捕、身柄を拘束したが、証拠が見つからず保釈した。
なお、ソニーとSCEでは、不正侵入の検知機能などセキュリティーを強化し、コンテンツ配信などのネットワーク事業を、最重要戦略として一層強化するとした。また、全会員に対しパスワードの変更を要請している。
ソニーグループの10年度の連結業績は、前年度比増収増益を記録したものの、引当金計上で2598億円の大幅な赤字となっている。しかし、11年度は、震災の影響や今回の漏洩問題の費用を試算しても利益計上を見込んでいるようである。

(横田一輝　 ICTディレクター ／ 2011年)

出典　(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」