精選版 日本国語大辞典 「嚔」の意味・読み・例文・類語
くさめ【嚔】
〘名〙
② (①が転じて「鼻ひる(くしゃみする)」動作そのものをさすようになったものか) =くしゃみ(嚔)《季・冬》
ふ【嚔】
〘他ハ上二〙 (多く「鼻をふ」の形で用いて) くしゃみをする。→ひる。
※万葉(8C後)一一・二六三七「うちすすり鼻をぞ嚔(ひ)つる剣刀身に添ふ妹し思ひけらしも」
はな‐・ひる【嚔】
〘自ハ上一〙 (上代の上二段動詞「はなふ(嚔)」の上一段化したもの) くしゃみをする。〔十巻本和名抄(934頃)〕
※徒然草(1331頃)四七「やや、鼻ひたる時、かくまじなはねば死ぬるなりと申せば」
くしゃみ【嚔】
はな‐・ふ【嚔】
〘自ハ上二〙 =はなひる(嚔)
※万葉(8C後)一一・二八〇八「眉根掻き鼻火(はなひ)紐解け待てりやもいつかも見むと恋ひ来し吾れを」
くっさめ【嚔】
〘名〙 =くさめ(嚔)《季・冬》
※虎明本狂言・皸(室町末‐近世初)「足をぬらすまひと思ふて、かしらまでぬらひた。ああ、くっさめ、くっさめ」
くさみ【嚔】
〘名〙 「くさめ(嚔)」の変化した語。
※歌舞伎・心謎解色糸(1810)二幕「この途端にこの薬二人が鼻へ入る。アイタ、タ、タ、タ。(ト頭を押へ)アアくさみ。(ト一度にする)」
くっしゃみ【嚔】
〘名〙 =くしゃみ(嚔)
※浄瑠璃・浦島年代記(1722)一「今日の只今迄くっしゃみ一つ致さず」
はな‐ひり【嚔】
〘名〙 くしゃみ。くさめ。《季・冬》
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