世界が2016年から2030年までに達成すべき17の環境や開発に関する国際目標。Sustainable Development Goalsの略称で、日本では「持続可能な開発目標」と訳される。2015年9月の国連持続可能な開発サミットで世界193か国が合意し、2015年に達成期限を迎えたミレニアム開発目標(MDGs:Millennium Development Goals)の後継として採択された。地球環境や気候変動に配慮しながら、持続可能な暮らしや社会を営むための、世界各国の政府や自治体、非政府組織、非営利団体だけでなく、民間企業や個人などにも共通した目標である。発効は2016年1月。「だれひとり取り残さない」(No one will be left behind.)をスローガンに、「貧困や飢餓の根絶」「質の高い教育の実現」「女性の社会進出の促進」「再生可能エネルギーの利用」「経済成長と、生産的で働きがいのある雇用の確保」「強靭(きょうじん)なインフラ構築と持続可能な産業化・技術革新の促進」「不平等の是正」「気候変動への対策」「海洋資源の保全」「陸域生態系、森林資源の保全」など17の目標と、各目標を実現するための169のターゲットからなる。MDGsが途上国の貧困・飢餓の撲滅や教育の確保に主眼を置いていたのに対し、SDGsはすべての国・地域を対象とし、MDGsの目標に加えて経済危機、気候変動、伝染病、難民や紛争などへの対処に力点を置いている。目標には法的拘束力はなく、達成状況を測る方法も各国に任されている。
日本は2016年(平成28)5月に首相安倍晋三(あべしんぞう)を本部長とするSDGs推進本部を設置し、民間企業や各種団体、消費者とも連携した実施方針を打ち出した。ドイツのベルテルスマン財団がまとめた世界149か国のSDGs達成ランキング(2016年7月時点)によると、スウェーデン、デンマーク、ノルウェーなどの北欧諸国が上位を占め、日本は18位、アメリカは25位、中国は76位であった。
[矢野 武 2018年3月19日]
(2019-6-27)
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