SKK

ASCII.jpデジタル用語辞典 「SKK」の解説

SKK

1987年に、(当時)東北大学の佐藤雅彦教授によって設計、開発された日本語入力システム。SKKの大きな特徴は、その名前にも現れているように、変換アルゴリズムに「日本語文法の知識を用いない」という点にある。SKKの動作は、大ざっぱに言えば、ユーザーが入力した「読み」をもとに辞書ファイルをサーチし、読みに対応したエントリに並べられた漢字に「置換」するだけとなっている。このとき、ユーザーが入力した読みと漢字の対応は、かな漢字変換システムによる日本語文法解析ではなく、ユーザーが入力する「漢字の読みの開始点」と「送り仮名の開始点」の情報によって決定される。たとえば「今日は晴れです」という文は、SKKでは、Kyou haHaRedesuと入力する(なおSKKはローマ字入力専用である)。「今日」や「晴」の漢字の開始点と、「晴れ」の送り仮名の開始点でアルファベット大文字を入力することで、SKKにこれらの情報を伝達している(ユーザーの意図を伝えている)。このようにSKKは、シンプルなかな漢字変換アルゴリズムと、ユーザーによる漢字変換点、送り仮名開始点の指定という入力メソッドの採用により、「ユーザーが意図した通りの文字入力をできるだけ容易に行なうこと」を目指したシステムだと言うことができる。なお、SKKのオリジナルは、Emacs Lispによって記述されており、Emacs(とEmacs Lisp)が動くところならどこでも日本語を入力ができるというポータビリティも特徴の1つ。なお、入力文字列から該当候補をサーチする機能を受け持つサーバープログラム(これはEmacs LispではなくC言語で記述されている)も提供されている。また最近では、基本的な思想や機能はそのままに、Emacs Lispから独立した実装も試みられている。

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