SS(ナチス)(読み)えすえす

世界大百科事典(旧版)内のSS(ナチス)の言及

【第三帝国】より

…この時期には内政面では,財界,外務省,陸軍に残る保守派が重要ポストから排除され,ナチ党指導部の対外進出の構想に基づいた国内秩序の方向づけが基本的に貫徹する。また,レーム事件以来突撃隊に代わって台頭して来た親衛隊Schutzstaffeln(SSと略す)がヒムラーHeinrich Himmler(1900‐45)を頂点にして,国家秘密警察(ゲシュタポ)と強制収容所を管理し,民族裁判所も加わって法治主義が決定的にゆがめられる〈親衛隊国家〉が登場する。対外的には,38年3月の独墺合邦,同9月のミュンヘン会談を経て翌39年3月にかけてズデーテン地方の奪取とチェコスロバキアの解体,そして39年8月には,衝撃的な独ソ不可侵条約を成立させて東方の安全を確保したうえで,同9月,ポーランドに進入して,英仏両国の対独宣戦布告をひきだし,第2次世界大戦の口火を切る。…

【ユダヤ人】より

… 1933年ナチスの権力掌握後,第三帝国政府は35年いわゆるニュルンベルク法を制定し,ユダヤ教徒だけではなく,たとえユダヤ教を捨てていてもその祖父母4人のうち3人がユダヤ教徒であった者は〈完全ユダヤ人〉とみなすという〈血の理論〉に基づいて〈ユダヤ人〉を設定し,彼らから市民権を奪い,彼らの市民生活さらに私生活にあらゆる制限を加え,38年11月にはポーランド人青年による在パリ・ドイツ大使館員狙撃事件を口実に,〈ユダヤ人〉に対する大規模な迫害・略奪を行った。同時に〈ユダヤ人〉政策の主要推進力となったSS(ナチス親衛隊)は,〈ユダヤ人〉の国外追放を進めた。シオニスト団体はこの間SSと協力してドイツおよびハンガリーなどの諸国からの〈ユダヤ人〉のパレスティナへの移住の組織にあたった。…

※「SS(ナチス)」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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