T-R率(読み)ティーアールりつ(英語表記)T-R ratio

改訂新版 世界大百科事典 「T-R率」の意味・わかりやすい解説

T-R率 (ティーアールりつ)
T-R ratio

top/root ratioの略で,作物の地上部重量と地下部重量との比率。作物には地上部を利用するものや地下部を利用するものなどさまざまなものがあり,優れた生産をあげるためには,直接的にはこれらの利用部位の比率を高めることが必要であるが,同時に両者生長のバランスを適正に保つことが重要である。T-R率はこれら両者の関係を知るための有効な指標とされている。T-R率は環境によって影響を受ける。日照が減れば炭水化物生成は減り地下部の生育のほうがより制約されるため,また,土壌水分窒素供給が増加すれば地上部の生育がより大きくなるため,T-R率は大きくなる。このような関係を十分認識して,その環境に合った栽培管理(剪定せんてい),摘心灌水施肥など)を行うことは作物生産上たいせつなことである。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

潮力発電

潮の干満の差の大きい所で、満潮時に蓄えた海水を干潮時に放流し、水力発電と同じ原理でタービンを回す発電方式。潮汐ちょうせき発電。...

潮力発電の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android